あすはひのきになろう

ライトノベルを中心にいろんなコンテンツの感想を記録していきたいブログ

虚魚/新名智(KADOKAWA)【感想】

 

2022年5月21日読了。

 

あらすじ

わたしは探している。<人を殺せる>怪談を。 横溝賞<大賞>受賞作。
“体験した人が死ぬ怪談”を探す怪談師の三咲は、“呪いか祟りで死にたい”カナちゃんと暮らしている。幽霊や怪談、呪いや祟り、オカルトや超常現象。両親を事故で亡くした日から、三咲はそんなあやふやなものに頼って生きてきた。カナちゃんとふたりで本物の怪談を見つけ出し、その怪談で両親を事故死させた男を殺すことが、いまの三咲の目標だ。
ある日、「釣り上げた人が死んでしまう魚がいる」という噂を耳にした三咲は、その真偽を調べることにする。ある川の河口で似たような怪談がいくつも発生していることがわかり、ふたりはその発生源を求めて、怪異の川をたどっていく。“本物”の怪談に近づくうち、事情を抱えるふたりの関係にも変化がおとずれて――。
選考委員の絶賛を浴びた第41回横溝正史ミステリ&ホラー大賞<大賞>受賞作。

出典:https://www.kadokawa.co.jp/product/322106000335/

 

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七つの魔剣が支配する/宇野朴人(電撃文庫)【感想】

 

2022年5月18日読了。

 

あらすじ

運命の魔剣を巡る魔法バトルファンジー

 春――。名門キンバリー魔法学校に、今年も新入生がやってくる。黒いローブを身に纏い、腰に白杖と杖剣を一振りずつ。胸には誇りと使命を秘めて。魔法使いの卵たちを迎えるのは、満開の桜と魔法生物のパレード。喧噪の中、周囲の新入生たちと交誼を結ぶオリバーは、一人の少女に目を留める。腰に日本刀を提げたサムライ少女、ナナオ。二人の魔剣を巡る物語が、今始まる──。

出典:https://dengekibunko.jp/product/7-maken/321804000334.html

 

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「私が笑ったら、死にますから」と、水品さんは言ったんだ。/隙名こと(ポプラ文庫ピュアフル)【感想】

 

2022年5月18日読了。

 

あらすじ

「15分で一万円のバイトに興味はありませんか?」

クラスでも目立たない男子高校生・駒田に、
笑わない美少女、水品さんが声をかけてきた──
謎めいた展開に思わず一気読み!
涙のラストが待ち受ける、感動の青春ミステリ登場!
第7回ポプラ社小説新人賞<特別賞>受賞作


駒田悟理は、子どもの頃の出来事がきっかけで友達をつくらなくなり、学校でも目立たない存在の男子高校生。ある日、久しぶりに登校してきたとなりの席のクールな美少女、水品さんが、ひそかに声をかけてきた。「15分で一万円のバイトに興味はありませんか?」
思わず興味アリと答えた駒田が指示されたのは、電車に乗って席に座り、雑誌を読むこと。後日、その仕事の本当の目的に気が付いた駒田は、水品さんの変わった仕事を手伝うことになり、決して笑わない彼女の秘密にも近づいていく。
悪意のない集団の行動が人を傷つける現代社会特有の問題に触れ、またその流れを変えていくこともできるという勇気をも描いている、優しい青春ミステリー。

出典:https://www.poplar.co.jp/book/search/result/archive/8111259.html

 

第7回ポプラ社小説新人賞特別賞受賞作品。受賞時の講評は以下の通り。

クールな美少女・水品は、クラスメイトの主人公・駒田に怪しげなバイトをもちかけてくる。やらせに加担して、小さな奇跡を起こす、という微妙なバイトだが、駒田はだんだん面白く感じるように。過去に家族に起こった事件を自分のせいだと感じている水品は、かたくなに笑うことを拒んでいたのだが――。
軽妙でリーダビリティの高い作品だが、考えさせられる現代的なテーマもはらむ。下ネタの必然性など、気になる点も多々見受けられたが、将来性を感じさせられるという点で、特別賞の受賞となった。

出典:https://www.poplar.co.jp/award/award1/7.html

 

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プリンセス・ギャンビット ~スパイと奴隷王女の王国転覆遊戯~/久我悠真(電撃文庫)【感想】

 

2022年5月14日読了。

 

あらすじ

奴隷王女×スパイが挑む、学園に集う傑物との王座を賭けたロイヤルゲーム!

【王位選争】――次代の国王の座を王の子たちが奪い合うロイヤルゲーム。
 傑物ぞろいの王族が通うロアノーク王立学園に足を踏み入れたのは、奴隷の少女・イヴ。現王と奴隷の間に生まれ、このゲームに巻き込まれた頭脳明晰な才女。そして、彼女を補佐する少年・カイは、国益のために傀儡政権の樹立を狙う敵国のスパイだった。
 人間の本質をさらけ出す数々の頭脳戦。候補者同士が《騙し》《謀り》《裏切り》《潰し合う》、このゼロサムゲームの先に待ち受ける揺るぎない真実とは――?
 女王になれなければ無惨な死と嘲笑を運命づけられた少女と、彼女を利用しようとするスパイの少年――奇妙な共謀関係にある二人による、命を賭した国奪りゲームが始まる。

出典:https://dengekibunko.jp/product/322103000078.html

 

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新 謎解きはディナーのあとで/東川篤哉(小学館)【感想】

 

2022年5月14日読了。

 

あらすじ

執事探偵×令嬢刑事のミステリ、新章始動!
本屋大賞第1位&シリーズ累計420万部突破の国民的ユーモアミステリ、待望の新章スタート!!
宝生麗子の後輩に天然キャラの新米刑事・若宮愛里が加わり、警視庁に栄転した風祭警部は大きなミスを犯して国立署に舞い戻り、新たなメンバーで難事件に挑むが――!?
富豪の家で”無人だった”はずの部屋から発見された長男の首吊り死体の謎。鍵のかかった土蔵で見つかった骨董好きの老人の遺体と血文字のダイイング・メッセージの謎。雑居ビルの裏で発見された墜落死体とそのポケットに入っていた血の付いたナイフの謎。シェアハウスで殺された看護師と5つの目覚まし時計の謎。アパートで殺害されたイケメン大学生と建設作業員が”煙草を吸っている間に”目撃したという怪しい男の謎。
執事探偵・影山の推理と毒舌が冴えわたる、本格ミステリ全5編。

出典:https://www.shogakukan.co.jp/books/09386608:

 

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オタク同僚と偽装結婚した結果、毎日がメッチャ楽しいんだけど!/コイル(電撃の新文芸)【感想】

 

2022年5月12日読了。

 

あらすじ

同人女子とドルオタ男子の、偽装結婚から始まる楽しすぎる結婚生活。

同人作家という秘密以外は普通のOL・相沢咲月は、ある日イベント会場で突然プロポーズされた。相手はメガネ姿のドルオタ……じゃなくて、イケメン同僚の滝本さんで!? 偽装結婚から始まる幸せ結婚生活物語。

出典:https://dengekibunko.jp/product/322101000097.html

 

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この本を盗む者は/深緑野分(KADOKAWA)【感想】

 

2022年3月30日読了。

 

あらすじ

森見登美彦さん推薦。本の魔力と魅力を詰め込んだ、空想の宝箱!
「ああ、読まなければよかった! これだから本は嫌いなのに!」
書物の蒐集家を曾祖父に持つ高校生の深冬。父は巨大な書庫「御倉館」の管理人を務めるが、深冬は本が好きではない。ある日、御倉館から蔵書が盗まれ、父の代わりに館を訪れていた深冬は残されたメッセージを目にする。
“この本を盗む者は、魔術的現実主義の旗に追われる”
本の呪いが発動し、街は侵食されるように物語の世界に姿を変えていく。泥棒を捕まえない限り世界が元に戻らないと知った深冬は、探偵が銃を手に陰謀に挑む話や、銀色の巨大な獣を巡る話など、様々な本の世界を冒険していく。やがて彼女自身にも変化が訪れて――。

【推薦文続々!】
呪われて、読む。そして書く――私たちは!
――作家 森見登美彦さん

盗まれる本たちの魅力的なこと!
私もブックカースの世界に迷い込んでしまったような錯覚にくらくらした。
――作家 宮下奈都さん

想像力に底があり、その底が抜けることがあるということを、久々に実感した。すごい本が出てしまったものだ!
――翻訳家 金原瑞人さん

『この本を盗む者は』は、わずか2頁で私の心を盗んでしまった。時間にして5分足らずの早業だ。
――明林堂書店南佐賀店 本間 悠さん (文芸WEB マガジン「カドブン」より)

出典:https://www.kadokawa.co.jp/product/321912000257/

 

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錬金術師の密室/紺野天龍(ハヤカワ文庫JA)【感想】

 

2022年3月22日読了。

 

あらすじ

錬金術が司る世界の謎は、論理で解けるのか。二度読み必至のファンタジー×ミステリ

アスタルト王国軍務省錬金術対策室室長にして自らも錬金術師のテレサパラケルススと青年軍人エミリアは、水上蒸気都市トリスメギストスへ赴いた。大企業メルクリウス擁する錬金術師フェルディナント三世が不老不死を実現し、その神秘公開式が開かれるというのだ。だが式前夜、三世の死体が三重密室で発見され……世界最高の錬金術師はなぜ、いかにして死んだのか? 鮮やかな論理が冴え渡るファンタジー×ミステリ長篇

出典:https://www.hayakawa-online.co.jp/shopdetail/000000014457/

 

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86―エイティシックス―Ep.8 ―ガンスモーク・オン・ザ・ウォーター―/安里アサト(電撃文庫)【感想】

 

2022年3月16日読了。

 

あらすじ

そして再び、戦いは残酷に全てを奪い――アニメ化決定の人気作、新章開幕!

〈レギオン〉完全停止の可能性。
 終わらぬはずの、戦争の終わり。
 それは人類の悲願。明日への希望。
 しかし、戦士たちは――戦いが終わった先、戦場で死ぬ定めだった「エイティシックス」は、どこへゆくのか。
〈シリン〉との出会いで、死を恐れぬことの不気味を知った彼らは、閉じていた未来への眼を、無理矢理に開かされた。
 ある者は、愛する人を見つけた。
 ある者は、世界を見て夢を描いた。
 だが……、それが出来ぬ者は。
 温かい希望の光が、彼らの鉄の意志と結束を歪め、そして。
 ついに、過去最悪の犠牲を生む。

 平穏を許さぬ、新章開幕のEp.8!
“辿り着いた海は、彼らに血を求めた。”

出典:https://dengekibunko.jp/product/86/322002000076.html

 

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86―エイティシックス―Ep.7 ―ミスト―/安里アサト(電撃文庫)【感想】

 

2022年3月15日読了。

 

あらすじ

ひとときの休暇は、新たなる戦いの予感を連れて――〈盟約同盟〉編!

 上位指揮官機〈無慈悲な女王〉。それは対レギオン戦争で守勢に立つ人類に与えられた“銀の弾丸”。『第86独立機動打撃群』の活躍で〈彼女〉の確保に成功した連邦・連合王国は、轡を並べる第三国「ヴァルト盟約同盟」にて、その解析と「尋問」を開始する。
 一方、大戦果を上げた者たちにも報奨が授与された。特別休暇。鉄と血にまみれた日々を、僅かひととき遥か遠くに置き、シンとレーナはじめ皆はそれぞれに羽を伸ばす。が、同時に《その二人以外のほぼ全員》はある思いを共にしていた。
 それは。“お前らいい加減、さっさとくっつけよ”
 もう一つの戦線がついに動く(!?)Ep.7!

出典:https://dengekibunko.jp/product/86/321906000033.html

 

感想

 うおおおおお待ちに待った戦闘なしの日常回!開幕お風呂シーンで笑った。表紙が既にゴールインみたいな感じですが、本編もしっかり楽しませていただきました。フレデリカとクレナはともかく、レーナにも矢印が向いていたのはちょっとびっくりでしたが、言われてみればそうだなぁなどと。

 ラブコメ成分と並行して進む〈無慈悲な女王〉との対話。思った以上に人間成分が残ってるんだな、という印象。遂にレギオン戦争終結の条件も明らかになり、とはいえそう簡単にはいかなさそう。

 あとがき後のパート、さすがにシンが気の毒すぎる。