あすはひのきになろう

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探偵はもう、死んでいる。3【感想】

 

 2020年9月2日読了。

あらすじ

 ラノベ好き書店員大賞2020[文庫]&好きラノ2019下期新作第1位!


かつて名探偵の助手だった俺・君塚君彦は、ある日、夏凪、斎川、シャルと共に誘拐された。
そして知らされるシエスタの死の真相。
呆然とする俺たちの前に、生前のシエスタそっくりの謎の少女が現れ、今の過去映像にはとある間違いが含まれていると語り出し……
「どうやらやっぱり私は、人の感情を読むのは苦手だったらしい」
それは完全無欠のシエスタが犯したミス。
名探偵であるが故に見つけられなかった微かな想い。
その過ちを探しながら、俺たちは《名探偵》を継ぐことの真の意味を知っていく。
探偵はもう、死んでいる。
死の真相も明かされた。
それでも、エピローグにはまだ早い。

出典:https://mfbunkoj.jp/product/tantei_dead/321912000700.html

 

 

感想

 たぶん1巻読んだときも思ったんですが、マーベル作品とかハリウッド映画とかが好きな人は好きそう。細かいとこは気にすんな、面白ければ良いだろ!!!って感じの作品です。《人造人間》とか《調律者》とかそこら辺のワードのセンスとか世界観とかもアメコミっぽさを感じる(こんだけ言ってるけど別にそういう映画に詳しいわけではない)。このあたりを陳腐と感じるか面白いと感じるかは正直読み手次第。ただほぼシエスタそのもの、みたいなアンドロイドが出てきたときはさすがにそんなんありかよ!と叫びたくなりました。

 展開も回想によって新たな事実が次々に明らかになるため、伏線を回収してると言うよりは後出しで設定されているという印象が否めない*1。ただ、ここに来て主人公の目指すべき道が定まったところは良かったと思います。あとSSとかのシエスタとのイチャイチャ描写は楽しい。なんで最初から死んでる設定にしたんですか? その探偵も死んでるわりにはあの手この手で干渉してきてて「死んでいる」にもかかわらず行使できる影響力デカすぎない?となるし、全部彼女の掌の上というのもどうなんだと思わなくもないです。今巻で主人公たちが「これは自分たちの物語だ(=シエスタの物語ではない)」ということを明確化したので今後変わっていけば良いですが。

 作品とは直接関係ないことですが、編集部が異常に本作をプッシュしてることも気になるところ。まさか他のアニメ化作品を差し置いてリゼロに登場するとは思わなかった(関連ツイート)。多分アニメ化するんだろうけど、うーん……。

*1:もちろん僕の読解力が足りないという可能性も十分にある