あすはひのきになろう

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ビブリア古書堂の事件手帖II 〜扉子と空白の時〜【感想】

 

2020年9月4日読了。 

あらすじ

シリーズ累計700万部の人気古書ミステリ、最新作は丸ごと「横溝正史」!
ビブリア古書堂に舞い込んだ新たな相談事。それは、この世に存在していないはずの本――横溝正史の幻の作品が何者かに盗まれたという奇妙なものだった。
どこか様子がおかしい女店主と訪れたのは、元華族に連なる旧家の邸宅。老いた女主の死をきっかけに忽然と消えた古書。その謎に迫るうち、半世紀以上絡み合う一家の因縁が浮かび上がる。
深まる疑念と迷宮入りする事件。ほどけなかった糸は、長い時を超え、やがて事の真相を紡ぎ始める――。

出典:https://mwbunko.com/product/321911000211.html

 

 

感想

 新刊出てたこと全く知らなくて、店で見かけたときは「生きとったんかワレェ!」ってなりました。

 今回取り上げられた作家は横溝正史。なんと私一冊も読んだことがありません……。ほぼ知識ゼロでしたが、大輔と一緒に栞子さんに啓蒙してもらいました*1。推理もの以外の作品にも焦点をあてたり、最近見つかったという幻の作品を物語に落とし込んでいたりとその辺の手腕はさすがといったところ。本作の魅力が栞子さんの本に関する膨大な知識を活かした推理にあるのはもちろんなんですが、最大の魅力は本を中心に事件関係者の情念が絡み合うところなんですよね。今回の事件はある一族にまつわる世代をこえた事件だったこともあり、特にそれが顕著だったと思います。最終的に明らかになった真相は割と胸糞というかほろ苦というか……。大団円とはいきませんでした。あと結婚して子どもが生まれても大輔と栞子のイチャイチャ度は相変わらずMAXで、もう一回二人で完全ラブコメ回書いてくれねぇかな……。

 気になったのはサブタイに冠されているわりに扉子があんまり話に絡んでこなかったところ。いずれはがっつり彼女が謎解きする話が見られるんでしょうか。でもそうなるってことは例の怖いおばあちゃんが誘導してそうで……。なんにせよ次巻は読んだ内容を忘れる前に読みたいものです。

*1:ただ大輔も古書業始めたせいで結構知識身につけはじめてて、読者の僕だけがそのうち置いていかれそうなんですよね……。