あすはひのきになろう

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塩対応の佐藤さんが俺にだけ甘い【感想】

 

 2020年9月14日読了。

あらすじ

胸焼け必至!両片想い男女の甘々ラブコメ!
「佐藤さんは高嶺の花で誰に対しても塩対応。でも、意外と隙だらけだって俺だけが知ってる。写真を撮るのが下手。そのくせドヤ顔しがち。そして、へにゃっと笑う顔がすごく可愛い」
「押尾君は誰に対しても優しい。でも、意外といじわるなところもあるって私だけが知ってる。SNSを使うのが上手。オシャレなカフェの店員さん。そして、悪戯っぽく笑う顔にすごくドキドキする」

――これは内緒だけど、俺(私)はそんな彼女(彼)のことが好きだ。

初々しくて、もどかしい二人の初恋の物語。
尊さ&糖度120%! 両片思いな甘々青春ラブコメ

出典:https://www.shogakukan.co.jp/books/09451823

 

 

感想

 いわゆる両片思いってやつですね。ヒロインは写真を撮るのがめちゃくちゃ下手で、実家がカフェでインスタ的アプリをやってる主人公とそれをきっかけに近づいて……という感じの話。

 あんまり本筋と関係ないんですが、例えばもし本作を10年後に読んだとして、「ミンス*1?タピオカ?なにそれ??」ってなったりしないんですかね。要は流行り物に焦点をあてすぎると時代に面白さが左右されるというか、その時代における共通理解が無いと楽しめなさそうな気がします。刊行からまだ半年ちょっとなのに、特にタピオカなんかもうブームが下火になってますし……。まぁ10年後も普通にインスタありそうだしタピオカも第3次ブーム来てるかもだしそこまで気にすることでもないかもですが。

 で、ヒロインの佐藤さんなんですがこれはもう塩対応とかいうレベルじゃなくコミュニケーション障害なんじゃないかな……。コミュ障とか略さないやつ。普通に今後生きていくの大変そう。内容に関してはお互いに矢印が向いてるのに……というやきもきを楽しむ感じですかね。甘酸っぱい。でもダラダラ続くわけじゃなく、1巻の間できちんとオチはつくので、そこも良かったです。あとは負けると分かってるのに主人公を好きになっちゃうサブヒロイン。類例キャラは死ぬほどいそうですけどそれはそれとしてやっぱり気の毒だし切ないんですよね……。物語的には終盤の主人公と佐藤パパンとの対話が印象的でした*2。佐藤パパンの言ってることはド正論で、教育論としても別に間違ってはいなんですけど、それに対する主人公くんの返答が演出も含めてなかなか粋で良かったですね。

 続刊でてるみたいなんですが、ここからどう話を膨らませるのか期待したい反面、だれないか心配です。

*1:本作におけるインスタグラム的アプリ

*2:どうでも良いけどめっちゃ良いシーンで思ってたのと違う佐藤パパンのイラストがバーンと眼に入って吹きそうになった。あんな七三分けだとは思わんじゃん?