あすはひのきになろう

ライトノベルを中心にいろんなコンテンツの感想を記録していきたいブログ

2020夏アニメ振り返り

 やります。核心的なネタバレは避けて書くつもりですが、これから見ようと思っている作品の感想は読まない方が良いかも知れません。あと負の意見もあります。並びは五十音順です。

 コロナの影響で死屍累々だった春と反動でめちゃくちゃ本数が増えた秋の狭間のクールでしたが、なんだかんだそれなりに良作に恵まれていたんではないでしょうか。一方で突き抜けた面白さを持つ作品も少なかったような気がします。

 

 

A.I.C.O. Incarnation

 2018年にネトフリで配信されたオリジナルアニメ。いきなりネタバレなしにあらすじを説明するのが難しい作品なんですが割愛して説明するとSFです。バトルあり人間ドラマありで面白いとは思うんですが何分専門用語とのオンパレードで、情報量もめちゃくちゃ多いのであんまり記憶力の良くない僕には1週間空くとなかなかのめり込みづらい難しい作品でした。公式サイト見ながら見るとか、間を空けずに一気見するとか、なんならもう一周するとかした方が良いかと思います。あと戦う相手がぬるぬるのスライムみたいな感じで終始ちょっと気持ち悪かったし画面映えづらかったところも難点だったかな……。ただ、世界観とか設定は面白いし、作画も安定して良かったし、やりたかったこともなんとなく伝わってきたので今書いたような部分だけで敬遠すべきではないと思います。

天晴爛漫!

P.A.WORKSのオリジナルアニメ。オリジナル作品に積極的なところには好感が持てるし、好意的に評価したいのはやまやまなんですが、うーん……。作画はとても良かったです。特にアクションシーンは見応えがあります。OPでもやってますが、ガン=カタのシーンが好きです。ただ、ストーリーが想定とかなり違いました。はるばる日本から大陸横断レースに参加することになった主人公たち……みたいな感じで始まるんですが、後半からレースそっちのけでアクションと戦闘の連続で、レース要素は申し訳程度。それが悪かったわけではないんですが、レースものとして売り出したんだったら最後までそれを貫き通して欲しかった。シンプルに自動車でレースする作品って意外と見ない気がするし。で、終盤一人強大な敵が出てくるんですが、それの倒し方も、「え、それでやられるの?」って感じであんまり納得できず。お前途中までめちゃくちゃ無双しとったやん……。そいつのせいでみんなで一致団結して戦わなければいけないため、レーサー同士のライバル争いをあんまり見れなかったのも残念でした。あと、個人的には主人公くんも苦手だった。奇天烈なキャラデザは途中で慣れるしこの際置いておくとしても、最初は傲慢で他人を省みないけど孤高で誰にも理解されない天才、みたいな設定が鼻についてどうにも受け付けませんでした。まぁ彼の成長を描く上で必要な描写なので仕方ないんですが。それにしてもある日突然許嫁と妹から引き離された小雨は不憫すぎんか?

 いろいろ書きましたが、新しいものにチャレンジしようという姿勢は尊敬しますし、これに懲りずまた面白いオリジナルアニメを作って欲しいです。『フェアリーゴーン』よりは100倍面白かったし。

異常生物見聞録

 チャイニーズトンチキアニメ。余程暇なら見てみたらどうでしょうか。まったくもって良作とは言えないんですが、なんか憎めない作品でした。作中で「異類」という用語が出るにもかかわらずタイトルで亜人を「異常生物」呼ばわりするの、隠しきれない中華思想が滲み出てて好きじゃないけど嫌いじゃないよ。多分日本が舞台っぽいんですけど、日本に寄せる気ゼロだし、台詞はエキサイト翻訳か?ってレベルでガバいしで、最初はそこら辺を一人で突っ込みながら見てましたね。ストーリーは正直途中から真面目に追うのやめちゃいましたが、なんとなく女の子が可愛いな~で完走できました(僕はワンコちゃん派)。あとめちゃくちゃ強いカタコトムキムキおじさん(CV玄田哲章)のキャラが強烈で、喋るたびに草生やしてた。作画は全体的に省エネ(全然見れるレベルではある)でしたが、次回予告とかWeb版のおまけアニメのSDキャラが割とツボで好きでしたね。そう、おまけアニメはCVが中国語なんですが、ネイティブはどちゃくそ早口で全然聞き取れず、自分のリスニング能力に泣き崩れました(中国語選択者並感)。

宇崎ちゃんは遊びたい!

 巨乳キャラに「SUGOI DEKAI」ってTシャツ着せるのがどうも露悪的すぎるというか白々しすぎてあんまり好きじゃないの僕だけ?

 そもそもあんまり巨乳が好きでないことも手伝って、あんまり楽しめたとは言いがたいかも。宇崎ちゃんの煽りにいちいち素直に「イラッ」ってしてしまうんですよね。もちろんめちゃくちゃ不愉快ってわけでは全くないんですが、こうちょっとだけね……。ラブコメとしては、外野がうるさいの一点に尽きます。男友達、バイトの先輩、マスターで3人も賑やかし担当がいるんですが、みんな結局単なる外野に過ぎないのでそんなにいらんくね?ってなるんですよね。そもそもラブコメの外野視点って読者と視点を共有するわけで、そんな奴が作品内に3人もいるとさすがにちょっと目障りに感じちゃいます。少なくとも僕はそうでした。確かに読者は主人公たちに手を出せないので、外野として刺激するキャラの存在は必須なんですが、そんなに何人も要らないでしょうと思います。ただ、主人公はすごい善良で好感の持てる人柄だったし、たまに照れる宇崎ちゃんも悪くはなかったです。あとは宇崎ママのキャラの立ちっぷりはすごかったですね。頭おかしいんじゃないでしょうか。それにしても、はやみんが母親役をやる時代になったんか……。

うまよん

 『ウマ娘 プリティダービー』のスピンオフショートアニメ。本編をこのクールの間に見てめちゃんこ面白かったので勢いで視聴。ちょいちょい狂気度高めの回があって良かったですね(ミュージカルの回とか)。次回候補として予告で出てきて放送されなかった他のやつもいつか見てみたいです。本編の内容とは関係ないんですけど、その次回予告(ぱかチューブっ!)で登場するウマ娘たちの3Dモデルの出来が引くほどよくてサイゲやべぇええええってなりました

炎炎ノ消防隊 弐ノ章

 面白いし作画もいいのに何故かあんまり話題にならないアニメ。爆発的な魅力に欠けるのかなぁと思ったり。でも安定してるし、展開も丁寧でいいアニメだと思います。OPで1期からずっと結構有名なアーティストを採用してて、曲も良いです。特にOPは映像だけで言えば1期よりも好きかも知れません(森羅万象で森羅と象が映るとことか)。2クール連続でまだやってるんですが、気になるとすればどこで切るかですね。結構謎が多いお話で、原作が完結してない以上どうしても俺たたっぽいエンドになっちゃいそうなんですが、そこを上手く処理して欲しいところ。

彼女、お借りします

 原作既読勢ですが、アニメとしての出来は満点に近いんじゃないかと思います。声は良いし作画も良い*1し、OPEDもキャッチー。唯一うーんと思ったのは瑠夏ちゃんが和也に惚れた理由の処理。あれを特殊EDだけで説明するのは、さすがに原作読んでないアニメ勢に優しくなかったと思います。

 問題は主人公の性格で、実は原作読んでた時はヘタレやな~と思いながら読んではいたものの、そこまでクズとは思ってなかったんですが、アニメになって声と動きがつくと、クズっぽさがマシマシになった感じがして、何だコイツって思っちゃいました(和也の声優さんを批難する意図は全くありません。念のため)。あと1期範囲だとほとんどかっこいい場面がないのも厳しかったですね。たま~にイケメンムーブしても日々のクズ言動で相殺どころか減点されてしまいかねないレベルという……。あと少年誌の割に性描写が結構露骨で、そこを受け付けない人もいるかなと思います。ただ、女の子は文句なしで可愛いんですよ。特に墨ちゃん。アニメだと登場遅かったんですけど、それでも十分な破壊力でした。深く考えず、女の子の可愛さを楽しむのが吉かな、といった感じです。2期も決まったみたいですし、原作もそろそろ話を進めて欲しいところ……。

GREAT PRETENDER

 アビーが可愛い。かっこいいし可愛い。ビジュアル性格合わせて今期で一番僕にストライクなキャラだったかも知れません。脚本の古沢良太は『リーガルハイ』とか『コンフィデンスマンJP』とかの人で、本作は後者と似てるとか何とか。リーガルハイは見たけどそっちは知らないので詳しくないですが。話としては悪人から詐欺で金を奪うというものなんですが、義賊っぽいことをすることもあれば、巻き上げた金で普通に自分たちが豪遊することもあって、結構人間くさいです。展開はさすがにこなれたもの*2で、面白いのは間違いないんですが、内容的に別にドラマでやっても良くない?(小声)と思わなくもないです。あとケース1は今思い返すと長すぎた気がしますね。途中まであれで1クール使い切るのかと思ってました。2クールなんで多分最後にローランメインのエピソードをやって終わりですかね?

GIBIATE

 ジャパニーズクレイジーアニメ。「こういう結末もありってことだな!」

 正直ぶっ飛び具合で言えば『異常生物~』の比じゃないです。見始めたのなら全話視聴すべきでしょう。何が恐ろしいって多分製作側は至極真面目に作ってそうなんですよね。のに、作画、音響*3、デザイン、脚本、音楽全てが奇跡的なほど見事に噛み合わず、純粋な意味では全く面白くありません。特に展開の不自然さは致命的です。公式サイト見てもシリーズ構成・脚本が見つからないんですが、中学生が一晩で考えたシナリオだと言われても驚きません。ただ、これは突っ込みどころを楽しむアニメだと割り切ってしまえば見れないことはないですし、むしろ伝説的な作品とさえ言えるかも知れません。特に11話の超展開は後世まで語り継ぎたいものです。あれ予測できる人存在しないでしょ。

デカダンス

 マッドハウスの流れを汲んだ新しめの会社・NUTのオリジナルアニメ。これが一番ネタバレしそうなんで視聴を検討してる方がいたら飛ばした方が良いと思います。

 2話で一気に世界観が塗り替えられるんですが、正直1話の世界観で1クールやって欲しかったと思わないでもないです。そっちも十分魅力的だったので……。熱い展開と外連味のある作画がよく噛み合ってたと思います。ナツメが主人公と見せかけてカブラギを中心に描いたのが上手いと思いました。ことあるごとに自前のナツメフォルダを解放してテンション上げる組長が涙ぐましくて……。終盤まで含めて展開にもほぼほぼ文句のつけようがないんですが、強いて言えば物語上一番の盛り上がりが2話にきてしまったことで、全体を俯瞰するとなんとなくこじんまりした印象を受けてしまった点がやや残念です。あとは準レギュラー風に出てきたタンカーをもう少しナツメと絡ませて欲しかった。名前付きで登場させるほど大きな役割を担ってなかった気がします。しかしながら、毎週楽しみながら物語を追えましたし、最終的なシステムとの折り合いの付け方も単純な決別とは違って示唆に富むもので興味深く、非常に満足度の高い作品であったことは間違いありません。

とある科学の超電磁砲T

 超電磁砲しか見ない層を認めない過激派もいるようですが、僕はこっちだけ見ても全然良いと思います。もともとが漫画なので、どうしてもアニメ的にはこっちが映えるんですよね。あと脚本の進め方に余裕があることも大きなポイントです。コロナのせいでなんだかんだ3クールやってたんですが、作画もストーリーもずっと安定して面白かったです。特に佐天さんとフレンダのエピソードはマジで辛かった。佐天さんはきっとこれからずっと心のどっかに彼女を残して生きていくんですよ……。あと地味に屍喰部隊好きなんで結構活躍してるとこやってくれて嬉しかったですね*4。原作ストック溜まったら4期もやってほしいです。

ド級編隊エグゼロス

 話がどうこうというよりも作画が非常に不味かった。少なくとも2箇所で致命的かつ明らかなミスがあり、それ以外の絵の不安定さも今期ではかなり目立つ方でした。何が不味いかというと、これがエロを売りにしたアニメであるということ。せっかくのサービスシーンも、作画が悪ければ何の意味もありません。さらに、自主規制が激しめで、通常版だと下着ですら過剰なほどの白い光によって画面が覆われ、何が起こってるのか分からないという場面もしばしばありました。敵役の声優がやたら豪華とか、OPがかっこいいとか良い点もいくつかあったんですが、全体的に残念な感じでした。

ノー・ガンズ・ライフ 第2期

  頭が銃の人のアニメ。1期よりシリアス成分多めで(1回変態が出てくる回とかもあったけど)、十三の過去とかいろいろやってたんですが個人的にはあんまり刺さらなかった感じ。ハードボイルドなかっこよさみたいなのをまだまだ肌で感じ取れてないのかも知れません。

ピーター・グリルと賢者の時間

 こっちは15分の方のエロアニメ。このタイトルでそっち系だと見抜ける人は少ないのでは。こっちの方が規制はゆるめですが、1話丸々エロシーンなしで通常版と規制緩和版が同じ回があったのは笑いました。話としては思い人がいるにもかかわらず地上最強となったが故に異種族の女性に迫られ、なし崩し的に毎週致して後悔するというもので、まぁ特に付け加えることもありません。息抜きにちょうど良い感じでした。

富豪刑事 Balance:UNLIMITED

 そういえば春から延期になってたんでしたね。原作はあの筒井康隆御大で、実は1話にモブとして出てます。最初の方のエピソードは正直あんまり好みではなくて、特になんかアイドルの追っかけ?みたいなおばさんたちのおかげで事件が解決したときとかはギャグアニメかこれ?と思ったんですが、本題の大助の両親にかかわる事件のくだりからはどんどん面白くなり、そのまま駆け抜けた感じです。ただ、たしかにお金持ちはお金持ちなんだけど、それより神戸家の超科学力の方がすごすぎてそっちの方が目立っちゃってましたね。純粋にお金の力で解決して欲しかったような気もします。あとBGMの\フッゴ-ケイジ~/はせっかく面白いのにあんまり使われなくてちょっと寂しかったです。

放課後ていぼう日誌

 今期の癒やし枠。日常ものが枯渇してるクールだったので貴重でした。原作漫画の感想でも書いてますが、都会的で煌びやかなキャラの持ち得ない良い意味で田舎くさい女の子の描き方が非常に魅力的でした。一方で釣り文化を伝える啓蒙的な側面も強く、特にアオサギの回はとても好きなエピソードの一つです。日常ものでありながら、陽渚の釣り人としての成長もしっかりと描かれており、その点も好印象でした。魚や料理など、重めの作画も多かったんじゃないかと思いますが、絵も安定しており、全話通してクオリティの高いアニメだったと思います。あとOPEDがマジで良い。キャラソンも良い。聞いてない人はSpotifyで全曲聞けるので今すぐ聞きましょう。ちなみに個人的には黒岩部長がお気に入りなんですが、夏海も結構好きで甲乙付けがたいです。

魔王学院の不適合者~史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う~

 副題要らない……要らなくない?

 俺TUEEE系なんですが、ネットとかではかなりウケてた印象。個人的にはめちゃくちゃ刺さったというわけではないので、なんでかな~と自分なりにも考えてたんですが、「水戸黄門と同じ」っていう感想をいくつか見かけてなるほどと思いました。わかりやすく、必ず悪役が滅される爽快な展開がウケたのかも知れません。ラノベのアニメ化でつまずきがちな世界観の理解とかも最低限に抑え、流し見でも勢いでなんとなく見れる、というのも大きかったような気がします。一方で、脚本の細かい部分でちょいちょい「ん?」ってなるところもあり、一長一短だなぁとも思います。自分はギャグアニメとして見てました。心臓の鼓動で殺したり、城を片手でぶん投げたりとビジュアル的なインパクトもすごいし、何故か急にアノス様をたたえる歌とか歌い始めるし、極めつきは「殺したぐらいで、俺が死ぬと思ったか?」に代表されるアノス構文ですね。日本語壊れる。

 最初はポッと出のくせにキリトやお兄様と肩を並べてて「なんやコイツ」と思わんでもなかったですが、1クール終わる頃にはそれなりに愛着が湧いてました。クソ強いのに仲間思いで家族思いみたいなギャップの見せ方も上手かったと思います。Twitterを見る限り続編も期待できそうなので、発表を待ちたいですね。

モンスター娘のお医者さん

竜闘女様あざとい。スタートダッシュは遅かったものの後半でグイグイ来て最終話では完全にメインヒロインでしたね。いいぞ。内容の方は医療行為と称したエチエチアニメ……かと思ったら想像以上にきちんと医者やっててエロ要素抜きで結構面白かったです(本職から見てどうなのかは知りませんが)。というかサービスシーンがニッチすぎて僕のレベルではついていけませんでした。多分題材からみんな『モンスター娘のいる日常』を想起すると思うんですが、それとはまた違った角度から楽しめる良作だったと思います。

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。

  本物は見つかりましたか……?

 僕個人の中でも賛否両論あったアニメ。まずはアニメで完結まで描いてくれたことには感謝しかありません。作画も安定してたし、OPEDも謎のズンドコダンスを除けば非常に良かった。ただず~~~っと話がシリアスなせいで見てて気分が重くなってくるのは確かですし、ちょいちょい入るギャグ成分も謎ラップとかで正直結構スベってたし、ヒロインには悲壮感漂ってたし(特に結ばれない方)、1期の頃の雰囲気が好きだった人にはなかなか辛いところも多かったかも知れません。

 ストーリーについては、正直原作読まないと最終的な評価は下せない気がしています。心理描写が非常に重要なんですが、アニメだとどうしてもカットが多くなるだろうし、モノローグを入れるにも限界があるだろうし、風景とか仕草からこちらが読み取れる情報量にも限界があるので、ことこれに関しては文章媒体に軍配があがるんだろうなぁと。ただ、現時点での感想を述べると、純粋なラブコメ、エンタメ作品としては1期2期の方が優れていたかと思います。繰り返しになりますが、雰囲気があまりにも重苦しく、気軽に楽しむには向いていないストーリーです。台詞回しも非常に抽象的で、常にキャラの台詞を補いながら視聴することが求められます。一方で、これが2期終盤で提示された「本物」というキーワードと向き合おうとした結果であり、避けがたい展開であったことも十分に理解できます。しかしながら、そういったテーマとは別のところ、例えば雪ノ下姉のヘイト管理だとか、プロムという学校行事を雪ノ下や八幡が私物化してしまっているように見えてしまうだとか、本質とは異なる部分ではあるものの、視聴者視点からは引っかかりを覚えてしまう点に対するフォローが甘くなってしまっていたかと思われます。特に雪ノ下姉の行動原理は視聴者側からは不明瞭で、言動だけからは20歳にもなっても後輩にダル絡みする厄介な先輩にしか見えず、もう少し彼女から見た八幡たちの姿を描写すべきだったと思います。彼女の言う「共依存」という言葉は、作中人物からも指摘されたとおり、視聴者からしてもこじつけ臭く、違和感の強いもので、結局のところ八幡たちを混乱させただけのように見えてしまったことは残念です。

 恋愛要素の決着についてもいくつか思うところが。そもそも2期終わりでは八幡の言う「本物」の関係性とは「打算や偽りのない真に相互理解できている関係性」だったと解釈しているんですが、これは必ずしも恋愛関係とは結びつかないのではないでしょうか。ある程度の過程を経て恋愛関係へという結論ならわかるんですが、何故いきなり雪ノ下か由比ヶ浜の二者択一の状況になったのか、どちらかを選ばなければならないのが前提になったのかよくわかりませんでした。原作を読めばわかるんでしょうか……?決着の付き方についても、非常に彼らしい伝え方ではありましたが、もう一方の好意も察している以上、最後くらい自己韜晦抜き*5の姿を見たかった気もします。

 いろいろ書きましたが、これだけ考えさせられる時点で物語としては大変な成功だと思いますし、長い付き合いだった分、あとに残る印象的な作品でした。アニメとしてよりはライトノベルとしてですが、一つの指標となり得る大作だったと思います。

Lapis Re:LiGHTs

  魔法少女とアイドルという一見珍妙な要素を組み合わせたメディアミックスプロジェクトのアニメ。初見の制作会社でしたが作画が安定しており、何よりライブシーンにおける手描きとCGモデルの調和が見事でした。ソシャゲアニメの宿命として登場人物がやたら多かったんですが、名前はともかくビジュアルと性格はなんとなく覚えられたので、キャラの見せ方も良かった方ではないでしょうか。ストーリーの方は、幾分荒削りな印象は受けるものの、ギャグ調の雰囲気を崩さずシリアスなシーン、感動するシーンも取り入れられており、なかなか面白かったです。

Re:ゼロから始める異世界生活 第2期

  分割2クールですが、今後どうなるのか全く想像がつきません。話が進むにつれて情報量がどんどん増えるので、絶望的な状況なのは分かるんだけど、どれが誰のせいでそうしたら解決できるのかがこんがらがっていて、ちゃんと理解しながら話を追えていない気がしています。今期はエキドナが初登場でみんな騒いでいたんですが、個人的にはどう考えても裏がありそうだし*6あんまり心惹かれなかったんですが、終盤でオットーとかいう男がメインヒロイン張りのムーブし始めて、そっちに持って行かれそうでしたね。お話としてはまだまだ途中なので続きを楽しみにしてます。完全に詰んでるようにしか見えないけど、どうやって打開するんだろう……。あと病みリア好き

 

 以上全21作の感想でした。もともとは某所で書いてた振り返りを自分のブログで書くことにしたので、以前より各所に気を遣わずに書いてますが、ご容赦下さい。再放送入れるともうちょっと見てたんですがそっちは多分よっぽど気が向かないと感想書かないと思います……。究極自分のために書いてる文章であっても直感的に感じた印象が何に起因するのか文章化するのはなかなか大変だなぁと改めて感じました。他人の感想聞くのも好きなので、是非機会があれば「お前の感想はここがおかしい」とかどしどし指摘して下さい。

 

*1:実は制作会社からちょっと不安に思ってたんですが蓋を開けてみれば決めるところをきちんと決め、省エネ出来るとこでしっかり省エネするという理想的な作画だったように思います。

*2:特に1話のつかみ

*3:ベテラン声優ばっかなのに台詞が棒くさいのは多分音響の問題、あとSEがダサすぎる

*4:細かいけど清ヶたんの清ヶたんのくだりはカットされると思ってたので意外だった

*5:他者に対して感情をある程度素直に伝えられるようになったとは思うけど、自己評価や自己肯定感が低いのは変わってない気がする

*6:実際あったし