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異修羅I 新魔王戦争【感想】

 

異修羅I 新魔王戦争 (DENGEKI)

異修羅I 新魔王戦争 (DENGEKI)

  • 作者:珪素
  • 発売日: 2019/09/17
  • メディア: 単行本
 

 2020年11月30日読了。

 

あらすじ

全員が最強、全員が英雄、一人だけが勇者。本物を決める闘争が今、始まる。

魔王が殺された後の世界。
そこには魔王さえも殺しうる修羅達が残った。
一目で相手の殺し方を見出す異世界の剣豪、音すら置き去りにする神速の槍兵、
伝説の武器を三本の腕で同時に扱う鳥竜の冒険者、一言で全てを実現する全能の詞術士、
不可知でありながら即死を司る天使の暗殺者……
ありとあらゆる種族、能力の頂点を極めた修羅達はさらなる強敵を、“本物の勇者”という栄光を求め、新たな闘争の火種を生み出す。
全員が最強、全員が英雄、一人だけが勇者。“本物”を決める激闘が今、幕を開ける――。

出典:https://dengekibunko.jp/product/ishura/321902000139.html

 

 

感想

 以前からちょいちょいいろんなところで話題になってたんですが、この度『このラノ2021』単行本部門で1位だったそうなので重い腰を上げて読んでみました。

  カクヨムからの書籍化だそうですが、刊行に当たって12万字も加筆されたとか……それもうプロットと完成原稿くらい違わんか?

   話としては「本物の魔王」なるものが死んだ群雄割拠の時代にすげぇ強い奴同士が戦う群像劇って感じです。話が横に横に広がっていき、キャラクターもドカドカ出てくるので覚えるのが一苦労でした。キャラ紹介つけてくれぇ……。

 キャラ紹介のお話がつながって一応一つの大きなストーリーにつながる、という構成なんですが、最後の場面で全員集合!とはいかないので何となく収束しきったという印象を受けにくかったです。個々のエピソードが割とぶつ切りで展開が遅いんですよね。

 また、「かっこいい地の文」を書こうとしている結果、それには成功してるんですが、状況とか場面の切り替えとかがわかりにくく、読んでいて絵が頭に浮かびにくいと感じました(このへんは個人差あるでしょうが)。キャラ描写もこちらが感情移入できるギリギリの量で、これ以上減るとただ人物紹介と戦闘のダイジェストを読んでるだけになりそうです。僕は修羅よりも一般人の方が共感しやすかったですね。というか大概の人はそうかも知れません。特に遠い鉤爪のユノの言い分は頷かされます。

「私達の世界を変えてしまうような連中が、私たちを見ることすらしない・・・・・・・・・のが嫌だ。……私達が、私達の生きた人生が、いてもいなくても構わない、無価値な何かみたいに扱われるのが……嫌だ。(後略)」(p.376)

  今のところ無力な一般人が超人に立ち向かうみたいな話ではないですし、作風的に特にこういう心情が伏線として回収されずに退場とかもなくはなさそうなんでアレですが。

 バトルものとか少年ジャンプ系が好きな人にはあうんじゃないかと思いますし、二つ名とかのセンスは良い感じに厨二心をくすぐってくれます。あとまぁあとがきは……うん、合う合わないがあるでしょうねって感じです。一応続きは読みます。