あすはひのきになろう

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涼宮ハルヒの直観【感想】

 

  2021年3月26日読了。

 

あらすじ

おかえり、ハルヒ! 超待望の最新刊、ここに登場!
初詣で市内の寺と神社を全制覇するだとか、ありもしない北高の七不思議だとか、涼宮ハルヒの突然の思いつきは2年に進級しても健在だが、日々麻の苗木を飛び越える忍者の如き成長を見せる俺がただ振り回されるばかりだと思うなよ。
だがそんな俺の小手先なぞまるでお構い無しに、鶴屋さんから突如謎のメールが送られてきた。
ハイソな世界の旅の思い出話から、俺たちは一体何を読み解けばいいんだ?
天下無双の大人気シリーズ第12巻! 

出典:https://www.kadokawa.co.jp/product/322007000029/

 

 

感想

 僕がハルヒを読んだのは確か中学生とかのころなので、待ったと言ってもせいぜい4,5年なのですが、それでも新刊が読めるのは嬉しいですね。収録されている3本のうち、短編「あてずっぽナンバーズ」と中編「七不思議オーバータイム」は既出の再録。後者は掲載された雑誌を買っていたので一応再読でした。で、長編「鶴屋さんの挑戦」は今巻の書き下ろしで、まぁまぁ長いので読み応えは十分じゃないかと思います。

 読んだ感想ですが、やはり地力が高いというか、安定感が半端ない。3本とも方向性やテーマはバラバラというか、あんまり統一感はないんですが、どれもしっかりとまとまっていてきっちり面白いものになっています。つくづく引き出しの多い筆者だなぁと感心しきりです。「鶴屋さん~」は結構ガチガチのミステリーで、古泉とかがミステリ談義をしたりするんですが、そこに最近別の小説で初めて知った「後期クイーン問題」ってのが出てきて、なんか最近流行ってんのか?と思いました。ここら辺、全く興味のない人とかはちょっと読むのに苦労するかもしれません。内容自体は鶴屋さんの送ってくる叙述トリック付きメールをSOS団メンバーで解いていくというもので、結構最後の最後まで真相を引っ張り、二転三転し……って感じでかなり楽しめました。普通にミステリ小説と言って良いんじゃないかな。

 一方で本筋(もうほとんど記憶の彼方ですが)は全然進んでないんで、そういうのを待っていた人的には肩すかし感が強いかも。後書きを読む限り一応続きを書く気がないわけじゃなさそうなので、期待せず、のんびり待つのが吉でしょう。