あすはひのきになろう

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僕が答える君の謎解き 明神凛音は間違えない【感想】

 

 2021年7月1日読了。 

 

あらすじ

本格ラブコメ×本格ミステリ、開幕!

生徒相談室の引きこもり少女・明神凛音は真実しか解らない。
どんな事件の犯人でもまるで神様の啓示を受けたかのように解ってしまう彼女は、無意識下で推理を行うため、真実に至ることができた論理が解らないのだった。
伊呂波透矢は凛音を教室に復帰させるため、「彼女の推理」を推理する!

『継母の連れ子が元カノだった』の紙城境介が紡ぐ新たなる勝負作!

 出典:https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000349853

 

 

感想

 事件の犯人を直感的に当ててしまうヒロインの推理を、「推定無罪」の原則を旨とする弁護士志望の主人公が彼女に代わって組み立てていくミステリもの。ラブコメ要素もあり、着想もキャラも良いのですが、ミステリとしては謎解きの論理の組み立てがやや甘いように感じてしまいます。ヒロインの方が「正解」を用意しているからというのもあるかもしれませんが、「そうはならんやろ」みたいなところ*1も強引に突破している印象を受けました。要は「正解」以外の可能性の検討が不十分ではないかということで、まぁでもそれが3話の展開につながる部分もあるのかなぁと思ったり。3話の展開自体は非常に面白かったです。ライトミステリでこうくるか、みたいな意表を突かれた感じがあります。今後の展開につなげたいであろう対立構造も、もちろんありがちではありますが、読者層を考えれば妥当なところでは……? ただ単行本ということもあり、どの年代を狙っているのかはちょっとよく分からないかも。続刊前提ですが、どこまで続くかは未知数ですね。

*1:特に2話。落ち葉に踏んだあとってそんなつくか?