あすはひのきになろう

ライトノベルを中心にいろんなコンテンツの感想を記録していきたいブログ

恋に至る病【感想】

 

2021年7月20日読了。

 

あらすじ

僕の恋人は、自ら手を下さず150人以上を自殺へ導いた殺人犯でした――。
 やがて150人以上の被害者を出し、日本中を震撼させる自殺教唆ゲーム『青い蝶』。
 その主催者は誰からも好かれる女子高生・寄河景だった。
 善良だったはずの彼女がいかにして化物へと姿を変えたのか――幼なじみの少年・宮嶺は、運命を狂わせた“最初の殺人”を回想し始める。
「世界が君を赦さなくても、僕だけは君の味方だから」
 変わりゆく彼女に気づきながら、愛することをやめられなかった彼が辿り着く地獄とは?
 斜線堂有紀が、暴走する愛と連鎖する悲劇を描く衝撃作! 

出典:https://mwbunko.com/product/321911000198.html

 

 

感想

 面白かったです。同じ作者の作品はいくつか読みましたが、その中ではこれが一番面白いと思います。オチでどんでん返し?みたいなのがあるんですが、それでもヒロインが本当はどういう人物であるかという解釈を読者に委ねたのは興味深いところです。また、作品の中心となる『青い蝶(ブルーモルフォ)』ゲームも現実的に考えれば実現は難しそうですが*1、「完全にあり得なくはなさそう」という上手いラインをついていて、スルスル読めました。ヒロインの考え方自体も全く筋が通って無くて意味わからん、ってわけでもなくて、そこも怖いところです。どこまでが嘘でどこまでが本当なのか、非常に重層的なヒロインで、魅力的なキャラクターになっていると思います。

*1:こう書いたのですが、調べてみるとこのロシア発祥の自殺を教唆するコミュニティがモデルのようです