あすはひのきになろう

ライトノベルを中心にいろんなコンテンツの感想を記録していきたいブログ

リア充になれない俺は革命家の同志になりました2【感想】

 

2021年7月28日読了。

 

あらすじ

生徒会に宣言書を突きつけ息巻く過激な美少女・黒羽瑞穂と、彼女の制御役もとい監視役の白根与一は、スクールカーストでは最下層に位置していた。二人に声を掛けるのは、カーストのクインビーである中善寺さくらだけだと思っていたのだが……男子バスケ部の高崎が白根に入部を勧めてきた。彼は王様(ジョック)の地位にある者と知り白根は警戒する。更にさくらの取り巻き女子である渋川が黒羽の怒りをかうという事件が勃発して!?


過激な美少女・黒羽瑞穂は、生徒会に宣言書を突きつけ息巻いていた。そんな彼女の制御役もとい監視役の白根与一も、スクールカーストでは最下層に位置していた。学校で浮いている二人に構わず声を掛けてくるのは、カーストのクインビーである中善寺さくらだけだと思っていたのだが……。男子バスケ部の高崎が白根に入部を勧めてきた。彼は王様(ジョック)の地位にある者と知り、白根は警戒してしまう。更にさくらの取り巻き女子である渋川が黒羽の怒りをかうという事件が勃発。人と拘わらない事で平穏な日々を過ごしていた白根の日常はもはや崩壊、ここまできたらスクールカーストの地位を全てぶち壊すクーデターを起こすことに!?

出典:https://kc.kodansha.co.jp/product?item=0000224264

 

 

感想

 もし人付き合いにおいて「俺、あいつに嫌われてる?」とか「私、あの人に嫌われてる?」とか悩んじゃう人は、一度深呼吸して胸に手を当ててよーく考えてみた方がいい。

 あなたがその人のこと・・・・・・・・・・嫌ってるだけじゃないですか・・・・・・・・・・・・・?(p.275)

 打ち切り感すごいですが、一応【完】とはなっているので、音沙汰なしで永遠に続刊が出ないシリーズとかよりはマシなんかな……。

 スクールカーストという題材も、今でこそしゃぶりつくされてる印象がありますが、本作はそれを社会主義的な思想と絡め、上位と下位をブルジョアプロレタリアートに見立てる着想が面白い点でした。ただ、今巻ではそこはさほど重要な点ではなく、まごう事なき「ブルジョア」であり、物語の「悪役」であった渋川でさえも相対的には「下位」であることが吐露されるシーンが鮮やかなハイライトでした。人間関係のゴタゴタの解決のために主人公のとった露悪的な方法は、ちょっと『俺ガイル』の八幡を彷彿とさせましたが、中禅寺の人徳もありなんならこっちの方が手腕は上では?と思ったり。ラブコメ要素は相変わらず煮え切らず、そっち方面の進展はほぼほぼないし、この巻で終わるんだったらそこに描写そんなに割かなくても良くない?みたいな感じでしたが、テーマの取り扱いに関しては光るところもあり、ポテンシャルも感じられただけに今巻で完結となったのは忍びないところです。