あすはひのきになろう

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モブしか勝たん! お前らが俺にデレデレなお嫁さんになるって本当なの?【感想】

 

 2021年8月23日読了。

 

あらすじ

学校で目立たない友人以下の女子が、未来では可愛い俺のお嫁さん――!?


幸せな結婚生活を送る夢を見た――今の俺からでは考えられない、すごく美人で可愛くて、ちょっとやんちゃだけど、俺にめっちゃ甘えてくる、可愛いお嫁さんとの日常。でもそれはただの夢ではなく、未来予知だった!? さらにその結婚相手の候補は未来の姿からはとても想像がつかない、学校では人気者とはほど遠く、グループの隅っこにいるようなクラスの脇役キャラ女子2人、華風院陽彩と木下蘭って……あまりに未来の嫁とギャップがありすぎるせいで、いったいどちらが嫁となる人物なのかさっぱりわからない俺。そんな時、学校が廃校のピンチになり、ひょんなことからその反対活動を3人でやることになって……?

出典:https://mfbunkoj.jp/product/mobukata/322101000735.html

 

 

感想

 『あまのじゃくな氷室さん』シリーズの作者の新作と言うことで作者買いこの手の作品は、これまでの前例を見るに余程上手くやらないとオチでどうあがいても文句が出るもの……作者の力量が問われると思いますが、この単独ヒロインものが全盛期である今の世にこうした題材にチャレンジすることが果敢だなぁと思います。

 未来視した将来の自分の花嫁は誰か?*1を軸に、廃校*2を防ぐため、学校でも地味で目立たないメンツが奮闘します。大筋に既視感がないと言えば嘘になりますが、なかなかどうして面白かったです。現在パートと未来パートで実質3人分のヒロインを代わる代わる楽しめるのが一粒で二度美味しいですし、廃校を防ぐ展開もなかなかアツい。細かいところですが、公共施設で募金を呼びかける際には許可が必要、といった一定のリアリティが担保されているところも良かったです。今のとこ、華風院の方が人気出そうな気配を感じますが、どうでしょう。セリフ回しが面白いし、終盤の振る舞いもいじらしい。逆に木下の方は、自覚も芽生えたし次巻から巻き返してくるんでしょうか。

 一方で、タイトルにある「モブ」感はキャラからあまり感じられなかったです。主要キャラが「モブ」であることを印象づけるエピソードがあんまり無かったからですかね? ただまぁこれはタイトルと内容があんまりマッチしてないというだけで、瑕疵というほどでもありません。どちらかというともっと引っかかったのは、終盤の廃校を企んだ理事の思惑が明らかになるとこ。ちょっとマヌケというか、頭お花畑か?って感じであんまりそこには納得できませんでした。

 ただ、ラストの引きもすごくしっかりしてましたし、純粋に続きが気になるブコメというのは随分久しぶりで、是非続きを追いかけたい作品だったことは間違いありません。今後の展開に期待したいと思います。

*1:読者視点から見た『五等分の花嫁』かな?

*2:ラブライブ!』かな?