あすはひのきになろう

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声優ラジオのウラオモテ #05 夕陽とやすみは大人になれない?【感想】

 

2021年8月29日読了。

 

あらすじ

夕陽とやすみ、共演再び! 天才後輩声優も登場で現場に闘志の火花散る!!

「またまた共演が決まりました~!」
「もう、運命の相手って感じ(笑)」
 夕陽とやすみ再びの共演で、闘志に燃えて臨んだ新作アニメの収録。けれど、カツカツの収録予定に、土壇場での台本変更と、現場は大混乱! さらに、メインヒロインに抜擢された天才後輩声優・結衣の存在が、ふたりの焦りに拍車をかけて――この現場、ほんとに大丈夫!?
「だけどわたしにはあなたがいる、半人前でも揃えば多少はマシになるわ」
 お仕事だから、大人にならなきゃってわかってる。でも一緒なら少しだけ、無茶しても良いかな? 割り切れないふたりの青春声優ストーリー・第5弾!

出典:https://dengekibunko.jp/product/sayyouradio/322103000069.html

 

 

感想

 このクオリティをこの刊行ペースで出せるのはもっと評価されるべきでしょう。シリーズ作品としての安定感はこれまで読んできたシリーズの中でも抜群だと思います。

 今回は突然現れた天才後輩と修羅場な制作現場と進路相談の話。いずれの描写もきめ細やかで、通り一遍な印象がないんですよね。天才っていうのが単純に演技がめちゃくちゃ上手いってことじゃなくて「他人のコピーなんだけどその上位互換」とか、「切羽詰まってるから他ではリテイク食らうような演技をしても通ってしまう」とか、進路相談で言えば問うた人それぞれの経験に裏打ちされた回答が返ってくるところとか。それだけでなく、夜の海で叫ぶシーンみたいなエンタメ的にすごく映えるところもあるし、物語の起承転結もしっかりしてる。

 強く目を惹くような強い爆発力はないですし、めちゃくちゃ続きが気になる!っていうタイプの作品でもありません。しかしながら、間違いなく最終巻まで読みたい/しっかり読ませてくれるだろうという信頼感の持てる作者/作品にはそうそう出会えるものではありません。直近盛んに喧伝されている他シリーズに劣らないくらい多くの人に読まれて欲しいしシリーズですし、もっと評価されることを願っています。