グリモアレファレンス 図書委員は書庫迷宮に挑む【感想】
2021年9月1日読了。
あらすじ
図書委員の仕事は……迷宮探索!? 異能の力を秘めた魔書を見つけ出せ!
国内有数の蔵書数を誇る宇伊豆学園の図書館には、広大かつ深遠な《地下迷宮》が存在した。
高等部に所属する図書委員の守砂尊は、ある日、立入禁止の《閉架書庫》に足を踏み入れ、この図書館に隠された真実を知る。――地下に収められた奇書や希覯本、異能の力を秘めた魔書を手に入れるため、図書委員たちが果てなき迷宮探索に挑み続けていることを――。
秘密を知った守砂は、他の図書委員とチームを組んで、妖魔が跋扈する迷宮で未知の蔵書を探す《地下レファレンス》をすることに。しかし、それは楽しくも波乱に満ちた日々の幕開けで……!?
感想
よくまとまっていますし面白いんですが、続きに手を伸ばすかと言われると……というタイプの作品。
完全なファンタジーかと思ってたんですが、一応現代日本が舞台のようで、NDC分類とかも出てきます。図書館ネタも多少差し挟まれますが、事実上はタンジョン探索が主眼。設定は結構他作がちらつく感じでしたが、まぁ面白いですし、ストーリーもこなれている印象があり、大きく引っかかることなくさらっと読めます。キャラも割とテンプレ的ですが、主人公には一定のバックボーンを持たせていたり、地味に登場人数も多いのを1巻内である程度捌ききっていたりしているのは好ましいです。どうでもいいけど、オネエキャラって絶対有能ですよね。無能な奴見たことない。あと後輩ちゃんの「ゴッタゴー」って口癖、何?
一方で、「図書館」という舞台設定が物語に十分に活かされておらず、結局モンスターと戦うただダンジョンものになってしまっている印象が強かったです。主人公が「人が求めている本を届けるのが楽しい」と言うシーンが何度かありましたが、1回ちょろっとクイックレファレンスをやったくらいであとはマッピングしたり他の人を救助したり戦ったり……。こうなるとやってることは他のダンジョンものとあんまり変わらず、特別本作が優れている点も見つけがたい。悪くはないんですが、惜しい作品でした。