あすはひのきになろう

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錬金術師の密室/紺野天龍(ハヤカワ文庫JA)【感想】

 

2022年3月22日読了。

 

あらすじ

錬金術が司る世界の謎は、論理で解けるのか。二度読み必至のファンタジー×ミステリ

アスタルト王国軍務省錬金術対策室室長にして自らも錬金術師のテレサパラケルススと青年軍人エミリアは、水上蒸気都市トリスメギストスへ赴いた。大企業メルクリウス擁する錬金術師フェルディナント三世が不老不死を実現し、その神秘公開式が開かれるというのだ。だが式前夜、三世の死体が三重密室で発見され……世界最高の錬金術師はなぜ、いかにして死んだのか? 鮮やかな論理が冴え渡るファンタジー×ミステリ長篇

出典:https://www.hayakawa-online.co.jp/shopdetail/000000014457/

 

 

感想

 ファンタジー×ミステリ。錬金術という魔法的な概念が存在する世界ですが、錬金術も一定の理に従って作用するので、そこまで何でもありという感じはしませんでした。序盤から結構ゴリゴリ説明パートが入るので、ちょっと入り込みづらいところもありましたが、そこまでややこしくもないので比較的飲み込みやすかったと思います。

 尊大な女性錬金術師と生真面目な少年軍人のコンビが上手くハマっていて、掛け合いが楽しい。作者がラノベ出身なのでキャラはそっち寄りですが、世界観や文体はきっちりしています。パンチに欠けるきらいはあるものの、作中の錬金術のルールにしっかり則った謎解き*1は面白かったし、女性錬金術師の正体に関わる終盤のどんでん返しは全く予想していなかったのでかなり驚きました。思ったよりキャラを掘り下げる方向で進むようなので、シリーズとしても期待が持てます。既に続刊が出ているようなので、また読みたいです。

*1:感想を読んでると他の有名作品を彷彿とさせるトリックらしいけど、自分にはピンとこなかった