あすはひのきになろう

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あと十五秒で死ぬ/榊林銘(東京創元社)【感想】

 

2022年6月20日読了。

 

あらすじ

死神から与えられた余命十五秒をどう使えば、「私」は自分を撃った犯人を告発し、かつ反撃できるのか? 被害者と犯人の一風変わった攻防を描く、第12回ミステリーズ!新人賞佳作「十五秒」。犯人当てドラマの最終回、エンディング間際で登場人物が前触れもなく急死した。もう展開はわかりきっているとテレビの前を離れていた十五秒の間に、一体何が起こったのか? 過去のエピソードを手がかりに当ててみろと、姉から挑まれた弟の推理を描く「このあと衝撃の結末が」。
〈十五秒後に死ぬ〉というトリッキーな状況設定で起きる四つの事件の真相を、あなたは見破れるか? 期待の新鋭が贈る、デビュー作品集。

出典:http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488020101

 

 

感想

 タイトル通り十五秒がキーワードになる短編集。

 

十五秒

 「世にも奇妙な物語」で映像化されたみたい。死ぬまでの十五秒でなんとか犯人の手がかりを残そう!という着想はとても面白いし、そのために被害者や犯人がドタバタするところも楽しい。ただ明かされる意外な真実がそんなに響かなくて、設定に比してやや尻すぼみになってしまった感がある。

このあと衝撃の結末が

 ドラマの謎解きを予想しよう。なるほど~とはなったけど、実現できるか?と言われると首をひねっちゃうような。

不眠症

 どこらへんがミステリ要素なのかよく分からなかった。確かに謎はあったけども……。あんまり救いもない感じがして、ちょっと消化不良。

首が取れても死なない僕らの首無殺人事件

 ずっと首を入れ替え続けてるのを想像して笑ってしまう。体が一つ足りない問題の解決も力業で笑っちゃうし、これはもう設定の勝利な気がします。ただこれも謎解きが面白いかというとう~ん、みたいな。

 

 「十五秒」のシチュエーションの面白さと「首が取れても~」のインパクトがすごかったですね。欲を言えば、発想に負けないくらい他の要素でも強みを見せて欲しいかも。