あすはひのきになろう

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泥酔彼女 「弟クンだいしゅきー」「帰れ」/串木野たんぼ(GA文庫)【感想】

 

2021年11月27日読了。

 

あらすじ

姉の友達襲来! 距離感激近宅飲みラブコメ!

聖夜に近所の年上美人と二人で過ごすことになった。全男子にとって、夢のようなシチュだと思う。相手が泥酔一歩手前でさえなければだけど。
「弟ク~ン、おつまみま~だ~?」
ありえないほど顔がいいのに、それが霞むレベルのお気楽マイペースなダメ女・和泉七瀬。聖夜に俺と残念なかたちで出会ったこの人は、勝手に家に来るしやたら酒好きだし隙あらば弄り倒してくるし、とにかくひたすら面倒くさい。いくら顔がよくても、距離感バグってるタイプの近所のお姉さんって普通に悪夢だろ。
無自覚&無頓着。顔がいいくせに絶妙にガードが緩いハタチのダメ女に男子高校生が付き合わされまくる、酒ヒロイン特化型青春宅飲みラブコメ

出典:https://ga.sbcr.jp/product/9784815609320/

 

 

感想

 台詞の部分もタイトル、というかサブタイの扱いなんですね。調べるまで気づかなかった。

 正直あまり期待してはいなかったんですが、タイトルにある「酔っ払いヒロイン」だけでなく、「演技、演劇、役者」といった作品にもう一つテーマがあったのが良かったですね。「他人の家にあがりこんで泥酔する」というヒロイン造形が人を選ぶというのは制作側も織り込み済みだと思うんですが、登場人物の設定とストーリー展開によって、そのハードルを多少下げることができていたと思います。現に、自分的には、いくら普段有能だろうが酔うと理不尽にキレる主人公の姉は好きになれませんが、ヒロインの方は最終的にはなんか許せる気がしてしまいました。……まぁヒロインはキレたりしないし、そもそも二人で描写の量が圧倒的に違うのでそのまま比べるのもアレですが。

 主人公がヒロインを許容する理由が「脚本のための人間観察」なのはやや無理筋な気はしますが、ヒロインに関するオチの付け方も面白いし、サブヒロインと延々撒いてたフリを使った次巻への繋ぎ方も上手い。総じてよくまとまった作品だったと思います。