86―エイティシックス―Ep.10 ―フラグメンタル・ネオテニー―/安里アサト(電撃文庫)【感想】
2022年6月27日読了。
あらすじ
それは、少年が「死神」へと至る物語――アニメ好評放送中の人気作最新刊!
共和国、存在しない「86区」。一人の年端も行かぬ少年兵が、その地獄の戦場に降り立った。
彼の名はシンエイ・ノウゼン。エイティシックスたちの『死神』として、傷つき倒れた仲間たちの遺志を、行ける限り先へと連れていく使命を背負うことになる者――。これは彼を『彼らの死神』へと変えた人々との出会いと、その絆を断ち切った残酷な、そしてあっけない死と破壊の物語の数々。
Ep.10『フラグメンタル・ネオテニー』。
血赤の瞳の奥に輝く、わずかに残った断片を追う。
感想
シンの過去が、交わったエイティシックスたちとのエピソードを中心に語られます。シンと交わったエイティシックスの皆さんはほぼ全員お亡くなりになっているので、当然そういうお話ばかりということになります。シンに良くしてくれた人もそうではなかった人も皆さんお亡くなりになります。死って平等だなぁ(白目)。
いずれのエピソードも、現在のシンがどのように形作られてきたかを補完する良い掘り下げになっていましたが、なかでも驚いたのはファイド視点のお話があったこと。アニメのエピソードはここから持ってきたのかな。そちらの印象が強いせいか、普段「ピポパポ」くらいしか喋らないファイドが流暢に一人称で語るのには結構違和感がありましたが、それはそれとして良かった。