あすはひのきになろう

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聖女ヴィクトリアの逡巡 アウレスタ神殿物語/春間タツキ(角川文庫)【感想】

 

2022年12月28日読了。

 

あらすじ

皇帝の死の謎を聖女が解き明かす!大注目の西洋風×謎解きファンタジー
アウレスタ神殿の物見の聖女、ヴィクトリアは、霊や魔力を視ることができる。
その力で、エデルハイド帝国の帝位継承にまつわる陰謀と、騎士アドラスの出生の秘密を明かしてから一ヶ月――。
ついに帝国の皇帝が崩御し、十人の候補者の互選によって次代皇帝を決める継承選が始まった。
だが、ある候補者の策によって、帝位を望まないアドラスが新皇帝として選出されてしまう。
再投票のためには、候補者全員の同意が必要で、同意の交換条件として、皇帝の謎めいた死の真相を明かすことを求められる。
ヴィクトリアは物見の力を生かし、真実を解き明かすことはできるのか……?
大反響の西洋風ファンタジー×ミステリ、第2弾!

出典:https://www.kadokawa.co.jp/product/322112000902/

 

 

感想

 幽霊とか魔女が見える能力を持つ聖女様が、前巻で仲良くなった皇子の窮地を救うため再び謎解きするお話。

 ミステリ自体は結構ガバガバというか、まぁファンタジー世界なのでそういう存在が犯人というのを割り引いたとしても、大胆に矛盾してる証言とかあってあんまり鮮やかな手つきとは言い難いのですが、キャラものとしてはよくできていたのかなと思います。主人公がアドラスと距離を置こうとしたり、派遣されたもう一人の聖女に疎まれていたり、第一皇女はなんか裏がありそうだったり、みたいな物語上のイベントを短めの尺の中でしっかり解決していってるのが良かったと思います。皇子皇女たちの関係性を解きほぐしていく過程が良かった。お話を綺麗にまとめ上げるのが上手いんですよね。継承選というクローズド・サークル的な舞台設定も悪くなかったし、さっくり読めるファンタジーとしては十分面白かったかと思います。恋愛要素もかなり出てきたし、続き物としての側面も強くなってきたけど、続刊もあるんですかね?