あすはひのきになろう

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友達の妹が俺にだけウザい/三河ごーすと(GA文庫)【感想】

 

2022年8月9日読了。

 

あらすじ

悶絶必至のいちゃウザ青春ラブコメ!!
馴れ合い無用、彼女不要、友達は真に価値ある1人だけ。青春の一切を「非効率」と切って捨てる俺・大星明照の部屋に入り浸るやつがいる。
妹でも友達でもない。
ウザさ極まる面倒な後輩。親友の妹、小日向彩羽。
「セーンパイ、デートしよーーっ! ……とか言われると思いましたー?」
血管にエナジードリンクが流れてそうなコイツは、ベッドを占拠したり、寸止め色仕掛けをしてきたりと、やたらと俺にウザ絡みしてきやがる。
なのに、どいつもこいつも羨ましそうに見てくるのはどういうワケだ? と思ったら彩羽のやつ、外では明るく清楚な優等生として大人気らしい。
おいおい……だったら、どうしてお前は俺にだけウザいんだよ。

出典:https://ga.sbcr.jp/product/9784815601874

 

 

感想

 ラノベらしいラノベとしてよくまとまっていた印象。キャラもそれなりに立ってますし、掛け合いも展開も悪くない。かなり久しぶりにフォント芸を拝見したので、そこはちょっと面食らいましたが、総じてこなれた書きっぷりだったと思います。個人的にはメインヒロインの友達の妹よりも従姉妹ちゃんの方が圧倒的に好みなのですが、まぁどうせ負けるんでしょうねといった感じ。

 タイトルやあらすじからはうかがえませんが、実はクリエイターものとしての側面もあり、主人公はプロデューサーを務め、絵師やら小説家やらプログラマーやら声優やらを集めてゲームを作っています。集まった彼らの才能を活かすため、親戚が社長の有名エンタメ企業にコネで全員引き取ってもらうため、色々企てている……みたいなのがメインのお話です。それぞれのクリエイターにも色んな過去とか掘り下げの要素がありそうだし、そこらへん使って今後展開していくんでしょう。手触りとしては、『ぼくリメ』よりは『妹さえ』に近い感触かな。

 効率厨の主人公が結構強引なところがあって合う合わないありそうなんですが、まぁある程度葛藤を経てそういう行動を取ってるのでまだいい方かなぁ、と。現実ならともかく、創作物において、尻込みせず人間関係に一歩踏み込むのは非常に主人公らしいとも言えますし。ただ、自分でラブコメ主人公を揶揄してる割に、人の心の機微に疎いのはかなり不自然というか、不誠実な姿勢に見えてしまいますね。あと終盤のヤンキーみたいなのをやり込める話は、ありがちですがちょっとキツいものがある。

 ラストでがっつり話を動かしたのは結構好印象。キャラとかシチュエーションは割とテンプレラブコメ味が強いのですが、その中でなんとかダレさせずにテンポ良く話を進めていこう、という意図が見えるのはありがたいと思います。まぁ最序盤なので今後どうなるかはわかりませんが……。