あすはひのきになろう

ライトノベルを中心にいろんなコンテンツの感想を記録していきたいブログ

王様のプロポーズ 極彩の魔女/橘公司(富士見ファンタジア文庫)【感想】

 

2021年12月12日読了。

 

あらすじ

世界を統べる魔女の身体と力を手にした少年の、最強の初恋!

 久遠崎彩禍。三○○時間に一度、滅亡の危機を迎える世界を救い続けてきた最強の魔女にして、魔術師が通う学園の長。

「――――君に、わたしの世界を託す――」

 そして――玖珂無色に身体と力を引き継ぎ、死んでしまった初恋の少女。無色は彩禍の従者、烏丸黒衣から彩禍として誰にもバレないよう学園に通うことを指示されるのだが……。クラスメイトや教師にさえも恐れられ、再会した妹からは兄のことを好きという相談を受ける波瀾の生活が待ち受けていた! 

「お静かに。手元が狂います。――いえ、口元が、でしょうか」
 さらには油断すると男性に戻ってしまうため、女性からのキスが必要不可欠で!? 

デート・ア・ライブ」のコンビが放つ新世代最強の初恋!

出典:https://fantasiabunko.jp/product/202109propose/322012001025.html

 

 

感想

 『デート・ア・ライブ』の作者とイラストレーターが送る新作。ちなみに『デアラ』は途中まで読んで放置してしまっていますね……。読もうという気はあるのですが。

 キャラ造形やセリフ回し、ノリ、世界観など全体的にやや古くささは否めないものの、ストーリーはしっかりしてますし、掛け合いが安定していて読みやすさはあります。序盤はやや退屈に感じましたが、転からの終盤の展開は結構面白かったです。旧来の王道ボーイミーツガールをなぞりつつ、変則的な「俺TUEEE」を盛り込む流行の抑え方は興味深くもあります。主人公とヒロインが文字通り一心同体というのも面白い。これ、主人公本人が女性になってるわけじゃないからTSとも言い難いし、もちろん入れ替わりでもないし、なんて表現すれば良いんでしょうね。ただ、主人公のお調子者感というか、天然ボケ感はたまにイラッときてしまったり。

 作者の作品は『デアラ』しか触れてないですが、単巻の爆発力というよりは、シリーズ通しての安定感で勝負するタイプの方だと思うので、評価は今後の展開に左右されるところが大きいですかね。

 余談ですけど、主人公「無色」と書いて「むしき」と読むんですね……。途中までずっと「むしょく」って読んでてずっと「無職」が頭の中をちらついてました。