あすはひのきになろう

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人間不信の冒険者たちが世界を救うようです 1 ~最強パーティー結成編~/富士伸太(MFブックス)【感想】

 

2023年1月7日読了。

 

 

あらすじ

最高のパーティーメンバーは、人間不信の冒険者!?
その日、歴戦の冒険者パーティーに所属していたニックは、父のように慕っていたリーダーから追放を言い渡された。だらしない仲間たちのため、金勘定や知識面などで彼らを支えていたにもかかわらず、横領の濡れ衣を着せられて。
恋人にもフラれ、すっかり落ちぶれてしまったニックだったが、偶然にも酒場で相席になった元貴族令嬢、破門神官、女竜戦士と意気投合する。
三人もまた誰かに裏切られて、人を信じられなくなった冒険者たちだったのだ!
誰も信じられない者同士だからこそ、共にやっていけると考えたニックたちは、生き残っていくために冒険者パーティーを結成する。
「それじゃあ、オレたちはこれから【サバイバーズ】ってことでどうだ?」
人間不信の冒険者たちが、最強のパーティーとして歩む冒険譚、ここに開幕!

出典:https://mfbooks.jp/product/hdis/321905000721.html

 

 

感想

 タイトルのダサさピンとこなさに反してなかなか良かったです。それぞれ周りの人間に大なり小なり裏切られてしまったことで、アイドルやらギャンブルやら女漁りやら美食やら金のかかる趣味に目覚めてしまった冒険者たちがパーティを組み、次第に心を通わせるみたいなお話。

 それぞれの身の上話もテンポよく語られて引き込まれるところがあるし、特にカランなんかは搾取されていた時代とパーティメンバーと巡り会えた今との対比が効いてて、素直にみんな(というかニック)と出会えてよかったねという気持ちになる。集団のはぐれ者同士がつるんで頑張るというシンプルなストーリーが単純に共感を誘うっていうのも大きいかもしれません。オタクに限らず多少なりともみんなそういうところはあると思いますしね。

 全員強キャラではあるんだけど、アイドル好き、ギャンブル好き、花街通い、美食家とそれぞれわかりやすく抜けているところがキャラだてされているのも親しみやすい。元神官だけは、「え、風俗通いを男女混合パーティに入れていいんスか!?」となったけど、まぁ仲間には手は出さないんでしょう。だんだん連携が噛み合っていく過程の描写や、前衛後衛で役割分担しての戦闘描写もしっかりしてて良かったと思います。絆で合体!的なのもなんじゃそりゃと笑っちゃうけど悪くなかった。細かいこと言えば、その台詞、さっきほとんど同じこと繰り返してない?みたいなのがちょこちょこあったんですが、Web連載の名残ですかね。

 アニメも始まるようですが、上手く見せられればそれなりにウケるんじゃないかなぁ。期待したいところです。