あすはひのきになろう

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プリンセス・ギャンビット ~スパイと奴隷王女の王国転覆遊戯~/久我悠真(電撃文庫)【感想】

 

2022年5月14日読了。

 

あらすじ

奴隷王女×スパイが挑む、学園に集う傑物との王座を賭けたロイヤルゲーム!

【王位選争】――次代の国王の座を王の子たちが奪い合うロイヤルゲーム。
 傑物ぞろいの王族が通うロアノーク王立学園に足を踏み入れたのは、奴隷の少女・イヴ。現王と奴隷の間に生まれ、このゲームに巻き込まれた頭脳明晰な才女。そして、彼女を補佐する少年・カイは、国益のために傀儡政権の樹立を狙う敵国のスパイだった。
 人間の本質をさらけ出す数々の頭脳戦。候補者同士が《騙し》《謀り》《裏切り》《潰し合う》、このゼロサムゲームの先に待ち受ける揺るぎない真実とは――?
 女王になれなければ無惨な死と嘲笑を運命づけられた少女と、彼女を利用しようとするスパイの少年――奇妙な共謀関係にある二人による、命を賭した国奪りゲームが始まる。

出典:https://dengekibunko.jp/product/322103000078.html

 

 

感想

 めちゃくちゃどうでもいいんですが、初版は表紙イラストにミスがあったそう。ヒロインの座っている椅子の片方の肘掛けが消えているとか。よくそんなとこピンポイントで消えたな。まぁレイヤーのミスとかだと思いますが。

 で、肝心の内容としては頭脳戦を名乗るにはちょっと足りないかな、というのが正直なところ。特に一人目の対戦相手に取った手は、盤外戦術上等とはいえ、あまりに稚拙というかゴリ押しが過ぎるというか……これを頭脳戦とは言わないでしょう、というのが率直な感想。とはいえ、奴隷が王女になるというコンセプト自体は惹かれるところもあるし、続く二戦目・三戦目の順でだんだんゲームの方も面白くなっていったと思います。特に三戦目は、お互いの血液を賭けるというシチュエーション自体には既視感があるものの、一番頭脳戦っぽかったし、対戦相手の正体も途中の展開を回収しつつ割と意外性があって楽しめたと思います。

 結構テンポは速かったものの、じっくり一戦一巻みたいなペースでやるようなお話でもなさそうだし、まぁ妥当なペースだったかと思います。ただ、せっかく兄妹全員デザインおこしてもらってるのにほとんどモブみたいな奴らが多かったのはちょっと気の毒だったかも。