あすはひのきになろう

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〆切前には百合が捗る2/平坂読(GA文庫)【感想】

 

2021年11月24日読了。

 

あらすじ

美人小説家と家出少女の日常系ガールズラブコメディ第2弾!

「もしかして仕事してたんですか?」
「仕事をしようとしていたわ」
 人気作家の海老原優佳理と、彼女の家で働く家出少女の白川愛結。晴れて付き合うことになった二人は、一緒にお風呂で映画を見たり担当から逃げたり猫缶を食べたり断食したりと幸せな日々を送る。しかしお互いを大切に思いながらも、年齢、家庭環境、そして“好き”の違いなど、二人の心には常に微かな不安が影を落としていた。そんな二人の前に、優佳理を慕う人気アイドル声優、須原朋香が現れる。彼女の存在は、愛結と優佳理の関係にどんな変化をもたらすのか――?
 平坂読×U35が贈る珠玉のガールズラブコメディ、第二弾登場!

出典:https://ga.sbcr.jp/product/9784815612023/

 

 

感想

 あとがき読んで、「え、これで完結?」と思ったらそもそも上下巻で出したかったらしい。何故ナンバリングになったか考えるのは邪推になるので辞めときましょうか。

 日常パートは「取材と称して作者も旅行したり美味いもん食ったりしたんかなぁ」と思いつつそれなりに楽しめましたが、終盤のストーリー展開が結構怒濤で、やや置いてけぼり感が。確かに作家としての優佳理を貫くテーマは面白いですが、カタルシスを得るにはそこまでの過程がちょっと不十分だったんじゃないかと。また、対立軸となる愛結の実家が読者視点から見て明らかに「正しくない」のも、「正しさに抗う」をテーマとして扱うならもう少しひねって欲しかったところです。読みやすく気軽に楽しめる「軽さ」が本作の魅力であると同時に、説得力の欠ける点でもあるところがなんだか皮肉に思えてしまう作品でした。