あすはひのきになろう

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真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました7/ざっぽん(角川スニーカー文庫)【感想】

 

2022年1月16日読了。

 

あらすじ

超大幅加筆で贈る大人気スローライフ・ファンタジー第7弾!!
 人類が魔王軍と激戦を繰り広げている最中、最前線から遠く離れた辺境の地に緊張が走る。
大国ヴェロニア王国からの宣戦布告、そして開戦。
かつて一度は戦場から離れることを選んだレッドであったが、最大の危機を迎えたゾルタンと愛する人々を守るため再び剣を取り戦場を駆ける!
――そして、流れ着いた一騎当千の英雄達が暗雲立ち込めるその先に見たものとは!?

「ふふっ幸せだなぁ、私って本当に幸せなの。こうしてレッドと一緒に雨の中を歩いて、綺麗な景色を見れるなんて」

 雨はやみレッドとリットの日常に再び穏やかな陽射しが降り注ぐ――。
超大幅加筆で贈る大人気スローライフ・ファンタジー、第7弾!

出典:https://www.kadokawa.co.jp/product/322003000330/

 

 

感想

 アニメでも言われてましたけど、これで「スローライフ」というのは無理がある、というのはそれはそうなんですよね。いや、本人たちなりの論理でスローライフという概念を拡張しているのは理解できるんですが、こうがっつり戦争までしちゃうとやっぱりタイトルとは乖離してるよね、という点は確認しておくべきかとは思います。

 とはいえ、今巻も面白かったです。怠惰なゾルタン民のみなさんがミストームのために立ち上がる展開がシンプルで熱い。恩義ある仲間のためなら命を賭けて立ち上がるという素朴な価値観が、ゾルタン民の気性をよく表しているように感じました。今巻で強烈な個性を見せたレオノールの生き方は、本作のキーワードである加護との関係性において、主人公たちに対して今後大きな影響を与えそうです。「加護とどのように付き合っていくか」が一つのテーマである本作で、彼女の生き方はある意味勇者より難易度の高いものであったのではないかとも思われます。デーモンなんかは明らかに加護はない方が良いと思ってそうな一方で、「加護と相性が良い」と明言されるダナンもいたりして、人間と加護の関係はどのような着地点を迎えるのでしょうか。とりあえず主人公たちの立場は「中庸」って感じですが、果たしてこのまま現状維持できるのか。新たな登場人物の顔見せもあり、今後もスローライフという名の冒険が続きそうですが、今後の展開も楽しみです。