転生したら剣でした 1/棚架ユウ(GCノベルズ)【感想】
2022年1月3日読了。
あらすじ
剣としてその銘を異世界に刻み込め!猫耳少女と共に伝説を目指す無機物転生ファンタジー
気がつくと異世界に転生していた。普通の人間としてではなく、剣として。 さらに周りを見渡せば、魔物が闊歩する危険な草原地帯。身の危険を感じた主人公は自分の体を浮かせる能力を駆使して魔物を狩っていく。 そんな折、休憩として地面に刺さった瞬間、能力が発動しなくなり動かなくなってしまう。 途方に暮れる主人公の前に、奴隷姿の猫耳少女が突如として現れるのだが……。
感想
昨年にはアニメ化も決まった無機物に転生する系の作品の中でも有名なシリーズ。
やたら差し挟まれるステータス表記も相まって、ファンタジー世界というよりは、ゲーム世界に転生しているような印象。まぁこういうタイプの異世界転生作品を余り読んだことがないので、どれもこんなもんなのかもしれませんが。
ストレスフリーで読めはしますが、全体的に薄味でやや退屈。着想自体は斬新で、剣が単体でモンスターと戦う様子を想像すると面白くはあるのですが、この手の長期シリーズの常で、単巻としての面白さはかなり微妙です。特にフランと出会うまで、剣だけでレベル上げする序盤は、全体の割合としてはそんなに大きくないはずですが、テンポ感のせいか妙に間延びしているように感じられました。フランと出会ってからも、いちいち世界観とかステータスとかスキルの説明が細々入る*1ので、若干引き延ばし感はあるのですが、剣が保護者的な立ち位置からフランと接していく関係性が微笑ましく、またフラン自身が戦いに赴く強い意志を持っている点は好ましかったです。しかし、着想に比してストーリー自体は凡庸で、突出した点は感じられませんでした。
*1:特にステータス。そのザコキャラいちいちステータス全部書き出す必要ある?と思う箇所がかなり多かった。