あすはひのきになろう

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真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました11/ざっぽん(角川スニーカー文庫)【感想】

 

2023年2月26日読了。

 

あらすじ

眩しい太陽輝く夏、南の島でバカンスへ!スローライフ・ファンタジー11弾

 『勇者』ヴァンを巡る騒動も一段落して、平穏を取り戻したゾルタンは夏真っ盛り。しかし、レッドの脳裏では、リュブが告げたタンタの加護についての予言が燻っていた――。
 『枢機卿』という大いなる加護を前に、『導き手』としてできることに思いを巡らせる――ものの、真夏のゾルタンのうだるような暑さは、ゆっくり思案するには厳しすぎて……。

「お兄ちゃん、夏休みに南の島へバカンスに行こうよ!」

 眩しい太陽に煌めくビーチ、夜には満天の星の下でバーベキュー。皆揃って一夏のスローライフ・バケーションへ!

出典:https://sneakerbunko.jp/product/shinnonakama/322203002219.html

 

 

感想

 季節は夏。レッドとリットはルーティやタンタたちの一家とともにゾルタン近くの島へ旅行に出かけます。そこには怪しげな苦行僧・エレマイトが。彼女を警戒しつつもバカンスを楽しむレッドたちですが、タンタがついに加護に触れる時が来て……という内容。

 今回は結構スローライフしていた気がしますね。戦闘シーンも控えめで、海辺でのんびりしたりバーベキューしたりみたいな描写が多め。自らの進路希望にそぐわない加護を与えられたタンタに寄り添いつつ、彼に近づくエレマイトが何を企んでいるか?という謎を軸に話が進みます。タンタ自身の意志がエレマイトの企みを打ち破る展開で、加護に振り回されず、上手く利用して付き合って行けたらいいよね、みたいな感じでまとめられます。適正とやりたいことが違ったときどうするか、というような普遍的なテーマといえばそうですが、加護でできるようになることが極めて実践的なので、現実に敷衍できるかというと微妙な気もしますね。

 ラストではルーティの『シン』の加護に新たな変化があったようで、ここに来てルーティがさらに強くなるということは更なる強敵が登場するのではとメタ読みをしてしまうのですが、どうなんでしょう。しかし、シリーズが長期化したが故にいまいち着地点が見えてこない印象もあり、不安と言えば不安かも。