あすはひのきになろう

ライトノベルを中心にいろんなコンテンツの感想を記録していきたいブログ

君のせいで今日も死ねない。【感想】

 

2021年9月6日読了。

 

あらすじ

飛び降りそうだった美少女を、幸せな日常へと導く青春譚。
陰キャでも陽キャでもない、カーストもそこそこの俺。
けれどある日、屋上でばったりと「神に愛された完璧な美少女」と
名高い三峰彩葉が飛び降りようとしているところに遭遇する。

「放っておいて。私、もう死ぬんだから」

 そんな彼女を止めて以来、二人で過ごす日々が始まった。空
き教室でピザを食べたり、夜のプールで花火をしたり。「私、
君といるのが楽しいのかも」「君のせいで死ねないじゃん」他
人の視線に怯えつつも、そっと心を開いてくれた三峰。“完璧
な自分”の仮面を取った彼女は、子どもっぽくも可愛くて――。

 これは悩める美少女を、平凡で幸せな青春へと導く物語。

出典:https://www.kadokawa.co.jp/product/322104000830/

 

 

感想

 自分は未読ですが、見た目よく似た感じの作品に今年3月に出てる角川スニーカー文庫『飛び降りようとしている女子高生を助けたらどうなるのか?』ってのがありました。一応参考までに。

 「小説家になろう」掲載のこちらの短編小説を長編として書籍化したもののようです。ヒロインの優等生ゆえ、人気者ゆえに飛び降りようとした、という動機付けはこうした題材の中ではやや斬新に思われ、興味深かったです。主人公がヒロインの命をのばすため、一生懸命他愛ないイベントを企画したり、明日や来週というようなちょっと未来の約束を取り付けたりする展開も悪くなかったと思います。

 一方で、展開にひねりがなく、キャラや文章に良くも悪くも引っかかりがなく印象に残りにくいです。長編としてリライトした上で書籍化するのであれば、もう一段階ブラッシュアップされていても良いのではないかと思ってしまいました。