あすはひのきになろう

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経験済みなキミと、 経験ゼロなオレが、 お付き合いする話。その3/長岡マキ子(富士見ファンタジア文庫)【感想】

 

2021年10月15日読了。

 

あらすじ

置いていかれたくない、と思った。一足早く大人になった彼女に。

陰キャな龍斗×スクールカースト最上位の月愛カップルによる、ギャップだらけのラブストーリー、続編! 季節は秋。さまざまな学校行事や将来のことを考える季節となり、それぞれの胸に新たな決意が…。波乱の3巻!

出典:https://fantasiabunko.jp/product/202009keikenzumi/322104000827.html

 

 

感想

 ギャル×陰キャのピュアラブストーリー第3弾。良かったのですが、行く先はやや不安スーパーカーのくだりはぐっとくるところがありましたし、個人的にお気に入りだった笑琉の掘り下げも良かった。主人公とは海夢との方が趣味が合っていて、月愛がやきもき……みたいな展開も、ベタな感じがしますが、ストーリーとして不自然さはありません。

 しかし、この終わり方的に、もし主人公と月愛と海夢とで三角関係を今から始めようとしているのであれば、既存の読者の嗜好から外れていきそうな気配は否めません。何もかも順風満帆では物語になりませんから、多少の揺さぶりが必要なのは理解できますが、そうした描写のあまり、主人公にヘイトが向いたり、ヒロインがやたら不憫になったりすることは、ヒロイン確定ものである以上、他の作品より一層避けた方が良いでしょう。特に、主人公のフラフラっぷりは、その心情は理解できるものの、もう少ししゃんとしてくれよとのが正直なところです。このへん、一昔前のラノベであればむしろこれくらいの主人公像がスタンダートだったような気はしますが、流行りのヒロイン一強ものとは致命的に食い合わせが悪い。キャラのすれ違いのような、ストーリーの作り方は上手いのですが、やきもきするのが苦手で、イチャイチャしてる二人だけ見せろ!という層とは今巻はちょっと相性が悪かったかもしれません。次巻の展開によって評価が大きく変わる可能性をはらんでいると感じました。