あすはひのきになろう

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楽園ノイズ3/杉井光(電撃文庫)【感想】

 

2021年10月16日読了。

 

あらすじ

PNOに新メンバーが加入!? ますます疾走するバンドストーリー第3弾!

 解散危機(?)を乗り越えた僕らの前に現れたのは、新メンバー候補の少女、志賀崎伽耶。芸能人夫妻の娘でモデルで女優というハイスペックぶりに加えて、パートはなんと僕と同じベース!
 ライヴ前日のクリスマスイヴには、バンドメンバーの四人全員と順番にデートする約束をとりつけてしまい、朝から夜までぎっちり分刻みのスケジュールに。果たして全員つつがなく満足させられるのか? 新加入メンバーにより恋もバンドも大波乱の予感!
 燃料投入でさらに加速する超高純度青春ストーリー、第3弾!

出典:https://dengekibunko.jp/product/paradise_noise/322011000007.html

 

 

感想

 新キャラ登場の第3巻。ベテラン作家とはいえ、刊行ペースも考慮すれば、この安定感は他から頭一つ抜けてますね。今日日なかなかお見かけしない清々しいほどのコテコテのハーレムラノベですが*1、1巻以来姿を見せない美沙緒先生のラスボス感がパないっすね。作劇的にもキーパーソンという感じがしますし。終盤、読んでる時は割とガチで焦ってました。

 「死」を強く意識させることで、それと対置される音楽の「生」の側面*2を強調する構造、キャラの個性を特徴付ける掛け合い、演奏シーンで陶酔感の強くなる文章など、いずれも高いレベルでまとまっており、楽しめました。

 自らの悩みにも答えを出し、一皮むけた主人公を中心に、このバンドがどこへ向かっていくのか、今後の展開にも期待したいと思います。

*1:主人公が一日で複数人とデートするイベントとか

*2:作者の死後も作品は残る、それを連綿と受け継いできたのが音楽である