あすはひのきになろう

ライトノベルを中心にいろんなコンテンツの感想を記録していきたいブログ

オーバーライト2 ――クリスマス・ウォーズの炎【感想】

 

2021年9月18日読了。

 

あらすじ

グラフィティvs音楽――アーティストたちの尊厳を懸けた《戦争》勃発!?

 ブーディシアやグラフィティ・クルーたちとの出会いによって音楽活動を再開したヨシ。そんな彼の元にかつてのバンド仲間、ボーカルのネリナが現れる! 
「ヨシの音楽には、魂がない」――ヨシの音楽に迷いを生じさせ、日本を離れる原因となった歌姫の突然の来訪。気まぐれな態度でヨシを惑わす少女の真意は?
 一方、クリスマス間近の街ではグラフィティを否定するミュージシャンの宣戦布告をきっかけにグラフィティ排斥の動きが激化!
〈Z〉を名乗る謎の人物によって街中のグラフィティが上書きされてしまう!
 傷つけられたブーディシアのグラフィティ、立ち上がったララ率いる〈女王熊の復讐〉。ブリストルの未来、そしてヨシをめぐる三角関係の行方は?

出典:https://dengekibunko.jp/product/overwrite/322004000054.html

 

 

感想

 面白いのは面白いんですけど、やっぱり話運びにぎこちなさが。特に終盤の火炎瓶持ち出してくるくだりは、前振りがないわけじゃないとはいえ、ちょっと唐突すぎた気がします。英語ルビのやたら多い文章も慣れてはきたものの未だに必然性があるように感じられず。今巻の、音楽とグラフィティという文化の対立軸を作り、グラフィティの価値を問い直すというコンセプトは良かったんですが、グラフィティを批判する側に立つガブリエルが思ったよりサクッと説得されたのもやや拍子抜け。新ヒロインのネリナは、あとでフォローがあるにしても、序盤の振る舞いが過剰にウザったらしく、ストレスが大きい。ブーディシアに並び立つヒロインとしては、読者受けが良いとは思いがたい。

 なんだか不満ばかり並べ立ててしまって非常に恐縮ですが、これはベースが面白いものになっているからこその不満であることも確かです。こうした細かいところでの引っかかりは作者と読者、双方に慣れが必要なものだと思うので、さらにクオリティアップした次巻以降の展開に期待したいです。