あすはひのきになろう

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ドラキュラやきん!4/和ヶ原聡司(電撃文庫)【感想】

 

2022年2月2日読了。

 

あらすじ

ポンコツシスター、今度は恋煩い!?  吸血鬼たちが過去と向き合う第4弾

 京都での動乱から二週間、アイリスの様子がおかしい。あれだけ虎木に絡んできていたのに、顔を合わせるとすぐに姿を消してしまうのだ。
 そんな中、コンビニオーナー村岡の娘・灯里が家に転がり込んできた。新たなトラブルの予感に困惑する虎木であったが、灯里の『虎木とアイリスは付き合っている』という勘違いが更に事態をややこしくして――!?
 そして、コンビニを訪ねてきた思いがけない人物とは……!!
 吸血鬼×シスターの日常ファンタジー。ラブコメの気配を感じつつも、過去に向き合う第4弾!!

出典:https://dengekibunko.jp/product/dorayaki/322106001055.html

 

 

感想

 アイリスの親にまつわる過去が明かされるとともに、オーナーの村岡(と娘の灯里)の家庭を描くことで、全体を通して家族というモチーフを描いた巻でした。前巻に引き続き、大分安定してきたように感じます。キャラ同士の掛け合いが楽しく、アンジャッシュ的なすれ違い展開もこなれており、話の進め方もテンポが良い。やはり、コンビニのお仕事シーンに紙幅を割かない方が良い気がしますね……。アイリスと親や虎木と和楽のようなファントムの絡んだ家庭だけでなく、それに比べれば特別ではない村岡家の家庭問題も等価に描いている点が好ましいと思います。思った以上に早く恋愛方面でも大きな進展が見られ、今後の展開にも期待をさせられる一方で、売れ行き的にどこまでシリーズが続くのだろうと思ってしまったりもします。前作のような長期シリーズとはいかずとも、しっかり話がたためるまで描いてもらえたらなぁと思います。

 本筋には関係ないけど、4巻にして正社員に誘われた本作の主人公を前作の主人公が見たら何て言うだろうな……。