あすはひのきになろう

ライトノベルを中心にいろんなコンテンツの感想を記録していきたいブログ

霜月さんはモブが好き 2/八神鏡(GCN文庫)【感想】

 

2022年8月6日読了。

 

あらすじ

「幸太郎くんの“はじめて”は誰にも渡さない」

名前で呼び合う関係に進展した、しほと幸太郎。

しかし、しほに拒絶された“ハーレム主人公”の龍馬への「ざまぁ」が足りないことを不満に思う転校生のメアリーは、自分をヒロインにした新たな物語を作るべく暗躍を始める。

しほの平穏を守るために、幸太郎は巻き込まれつつ対抗策を考えるが――話題沸騰の“メタ”ラブコメ第2巻!

出典:https://gcnovels.jp/book/b1306.html

 

 

感想

 自らを「クリエイター」と称する女が出てきて、もうその時点で大分イタいんですが、そいつが「ざまぁ」成分が足りないとか言い出すからもう始末に負えない。一生ス〇ッとジャパンでも見てろよ……。主人公が二重人格ぶるのも、ヒロインの幼稚な喋り方もかなり厳しい。イタいのもメタいのも上等ですが、それを面白さに昇華する技巧もキャラ造形も足りていません。

 主人公たちの言う「物語」が作中においてどのように位置づけられているかが曖昧なため、リアリティのラインがぐちゃぐちゃになっています。そのためか終盤はまるで具体性に欠けた異能力バトルのようになっており、読んでいて眼が滑るくらい小っ恥ずかしかったです。前巻に引き続き、元ハーレム主人公くんがまるで絶対悪かのように扱われているのにも説得感がありません。特に今巻は主人公が自分のサブヒロインらに対する露悪的な振る舞いを棚に上げているように見え、余計そう感じました。

  主人公が新キャラに振り回され葛藤を抱えたのち、自らを省みて、ヒロインと心を通わせるという基本的なストーリーラインそのものは決して悪くありません。しかし、素材を調理する技術が圧倒的に足りていない印象を受けました。