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千歳くんはラムネ瓶のなか 2【感想】

 

千歳くんはラムネ瓶のなか 2 (ガガガ文庫)

千歳くんはラムネ瓶のなか 2 (ガガガ文庫)

  • 作者:裕夢
  • 発売日: 2019/10/18
  • メディア: Kindle
 

 2020年1月20日読了。

 

あらすじ

それは、ニセモノの恋の物語。
「千歳しかいないの。どうかお願いします。私と付き合ってください」

面と向かって女の子にこんなことを言われたら、大概悪い気はしないだろう。
それが、七瀬悠月のようなとびっきりの美少女ならなおさらだ。

でも、うまい話には大概裏がある。
美しい月の光が、ときに人を狂わせるように。

これは、そうして始まった、俺と七瀬悠月の偽りの恋の物語だ。


――人気沸騰の“リア充側"青春ラブコメ、待望の第2弾登場!

出典:https://www.shogakukan.co.jp/books/09451816

 

 

感想

 とりあえず2巻まで読んだ方が良い、みたいな風潮があったので読んでみました。結果、残念ながら印象は変わりませんでした。今後続きを読むことはないと思います。もしアニメ化したら(というか人気を見るに十中八九しそうですが)見るかも。

 キザったらしい文章は前巻よりもさらに人を選ぶでしょう。読んでいるうちに慣れはしましたが、これをウィットに富んだユーモアな文章と読めるかどうかが本作を好きになれるかに結構大きな影響を与えてる気もします。

 1巻に比して今巻はきちんとラブコメにはなっています。ヒロインの掘り下げも悪くなかったし、キャラに思い入れができていれば掛け合いもラブコメらしい微笑ましいものに感じられるでしょう。ストーリー展開も概ね予想はつきますが、展開も丁寧ですし、話の作り方自体に不満はありません。

 一方で、読みながらやはり合わないと感じてしまいました。最も盛り上がるシーンとして描かれているだろう三章のとこで「は?」としか思えなかった時点でこの作者とは根本的に価値観に相違がありそうです。あれ、上手くいかなくって新たなトラウマを作ったらどうするつもりだったんでしょう。気になるのは本作全体を覆う「強者の論理」的な雰囲気です。実際、主人公のやり口は結果的にとても「正しい」ですし「かっこいい」のでしょう。しかし、それはあくまでも結果的な話で、主人公には弱者に寄り添う視点が欠けているのではないかという思いが強まりました。リア充の傲慢さ、というと語弊があるかもしれませんが、なんとはなしにそういうものを感じました。