あすはひのきになろう

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どうか俺を放っておいてくれ なぜかぼっちの終わった高校生活を彼女が変えようとしてくる【感想】

 

2021年9月6日読了。

 

あらすじ

伏見つかさ絶賛!!
第13回GA文庫大賞《ガンガンGA特別賞》受賞作

「ぼっち脱却の作戦会議をしましょう」
この物語は彼女と俺が送る、最悪で最高な高校2周目ラブコメである。

恋、友情、輝かしい青春。そんな期待に胸を膨らませた俺の高校生活は――結局ぼっちのまま終わった。 そして迎えた卒業式前日……。
「死なないで! 七村くん!」
モデル顔負けの美人・花見辻空をかばい、俺はトラックに轢かれて人生の幕を閉じた……はずだった。
「神様の気まぐれかもね」
しかし、その事故を機にどうやら俺は同級生の花見辻と一緒に高校一年生の入学式に戻ってしまったのだ。
二度目の高校生活は輝かしい青春など期待せず大人しくぼっちで過ごそうと思いきや……彼女から望んでもいない提案が。
「ぼっち脱却、私が手伝ってあげる」
この物語は俺が二度目の高校生活で送る、最悪で最高の青春ラブコメだ。

出典:https://www.sbcr.jp/product/4815609252/

 

 

 第13回GA文庫大賞《ガンガンGA特別賞》受賞作品。受賞時の選評は以下の通り。

二度目の高校生活でもぼっちを貫こうとする主人公と、二度目の高校生活くらい違った学生生活を送らせようとするヒロインとの軽妙でテンポの良いタイムリープ青春ラブコメ
冒頭のシーンで、主人公が憧れの高校生活に夢を膨らませるプロローグと、それが打ち砕かれたエピローグを両方描く度胸に驚かされながらも、非常に面白いアプローチで物語へ引き込まれてしまいました。
ぼっちになることをめげない斜に構えた主人公や、主人公のことをどこかほっとけないヒロインなど、キャラクターも等身大に描かれていて、二人の関係を応援したくなってしまうくらい見事に描かれています。
コミカルだけど読み応えもある内容で、非常に完成度の高い作品でした。

出典:https://ga.sbcr.jp/novel/taisyo/13/index.html

 

感想

 高校卒業の日、美少女を事故から助けた主人公が目を覚ますとなぜか高校入学の日にまでタイムリープしていて……というところから始まります。『俺ガイル』をはじめとする平成ラノベからの影響をもろに受けているようで、タイムリープ、ひねくれ系ボッチ主人公の一人称文体、主人公の自己改革などなどどれもこれも散々手垢の付いた題材ですが、タイムリープの期間が3年と短いこと、ヒロインもタイムリープしていること、主人公自身にぼっちを脱却する気があまりないこと等、その中でオリジナリティを出そうとしている節は見られます。会話や物語のテンポも良く、ヒロインも可愛い。新人賞受賞作だけあり、全体としての完成度はある程度高くまとまっていると思います。

 ただ、やはり先行作品がちらつく分、作品の顔となりうる強みが見えにくい印象も受けます。今後人気が出るか否かは、続刊でどこまで跳ねられるかにかかっているところが大きいのではないでしょうか。