あすはひのきになろう

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殺したガールと他殺志願者2【感想】

 

2021年9月19日読了。

 

あらすじ

幸せに生きられない少年少女は、幸せに死ぬことができるのか?


「どちら様ですか?」愛する人に問われて、淀川水面は返答に詰まった。
彼が愛する少女、浦見みぎりは、水面に関する記憶を全て失ってしまったのだ。
更に、彼女は自身の脳内に『理想の恋人』を作り出しており、水面を恋人だと認識することが出来なくなっていた。
絶望の中、水面はみぎりに提案する。「恋人探し、手伝わせてくれ」
存在しない、みぎりの恋人を探し、二人は思い出の地を巡り始める。
再び動き出した、歪な二人の歪な恋路。捩れて拗れて絡まって、もはや元には戻らない。
その先に待ち受けるのは天国か。はたまた地獄か。
病的で猟奇的で不器用な少年少女が最高のデッドエンドを手に入れる物語、第二弾。

出典:https://mfbunkoj.jp/product/killme_girl/322011000810.html

 

 

感想

 物語の根幹を担う記憶に関する設定は、これくらいリアリティをどこかにぶん投げていると、そうなのかぁと受け入れるしかないですね。一応作中で整合性はとれてると思いますし。文章は前巻よりもこなれている印象を受け、ところどころクスリと笑えるようなセンスの光る文章も見られました。厭世的というか、どうしようもない諦念に溢れた雰囲気が作品の表面を覆う一方で、物語自体はやはり大変ロマンチックで、そこが非常に好ましかったです。自分が本作の文体やキャラ、掛け合いに慣れてきたという側面はあるにしても、今巻はラストも含めて全体的に結構好きな部類でした。サブキャラの使い方にはまだ不慣れな印象は拭えませんし、展開ももう少しシームレスになっても良いかなぁとは思いますが、前巻より確実に腕を上げていたように思いました。