86―エイティシックス―Ep.4 ―アンダー・プレッシャー―/安里アサト(電撃文庫)【感想】
2022年1月28日読了。
あらすじ
第八六独立機動打撃軍、始動。彼らの時計の針が、いま新たに動きだす――!
二人の奇跡を歯牙にもかけず。戦争は続く。ただひたすらに。
ついに運命の再会を果たしたシンとレーナ。どことなくいい雰囲気を醸し出す二人に、フレデリカとクレナは戦慄し、そして気を揉むライデンらの苦労は留まることを知らない。
しかしそんな束の間の休息を破り、レーナを作戦司令とする新部隊に初任務が下った。 共和国85区内北部、旧地下鉄ターミナル。地下深くに築かれたレギオンの拠点が、その口をあけて彼らを待つ。
そこに見えるのは闇。レギオンの、共和国の、そして彼の国が虐げた者たちの、闇。
シンとレーナ、二人の共闘を描く『Ep.4』登場!
“地の底からの呼び声が、彼らに新たな試練を告げる。”
感想
シンとレーナのやりとりがいちいち微笑ましい。クレナ(とフレデリカ)には申し訳ないけど、もっとやれって感じです。ここまでめちゃくちゃ大変だったんだし、少しくらいご褒美があっても、ねぇ?
とはいえ、戦闘は相変わらず苛烈で、というか今巻でレギオンのありようがガラッと変わってしまったので、これからの戦闘がもっとキツくなりそうなんですが大丈夫なんですかね? シンはともかく、他の人たちはもう勝ち目なくない?と思ってしまうんですが。
互いに信頼し、わかりあえているようでやはり決定的な「共和国人」と「エイティシックス」という溝がシンとレーナの間にもあることがわかり、ここらへんが次のテーマになってきそうです。未だに差別意識の強い共和国民に対して、呆れるばかりでまとも相手にしないエイティシックスたちは一見強いように見えますが、世界や人間という存在を無自覚に諦めてしまっているからかもしれない。そんなシンたちが、いつか世界に希望を持てる日は来るのでしょうか? 続きも楽しみに読みたいと思います。