あすはひのきになろう

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後宮の烏3/白川紺子(集英社オレンジ文庫)【感想】

 

2022年10月19日読了。

 

あらすじ

深いふかい海の底、夜のしじまに横たわり、わたしはずっと待っている。
「梟」が残した羽根に、自らの行く末を重ねる寿雪。先代の戒めに反し夜明宮は孤独から遠ざかるも、寿雪自身は虚しさから逃れることが出来ずにいた。烏妃の元には、今宵も訪問者が絶えない。泊鶴宮での怪異は、やがて烏蓮娘娘への信仰を脅かす『八真教』へと通じて? 他方、高峻は烏妃を「烏」から解放する一筋の光明を見出し、半信半疑ながらも寿雪と共にあることを決め!?

出典:http://orangebunko.shueisha.co.jp/book/4086802678

 

 

感想

 この世界の地図やら宮城の地図やらが明らかになり、同時に政情もかなり話に絡んでくるようになった第3巻でした。依然としてやっていることはあまり変わらないのですが、今巻は遠隔地から烏妃にちょっかいをかけてくる謎の巫術師が登場します。寿雪とも浅からぬ因縁のある宗教の元締めらしいのですが、それは今巻であっさり解散(したんだよね?多分)。その真の意図は何なのか……といったところで次巻への引きでした。

 他にも衛青と寿雪の血縁関係が示唆されたり、梟が高峻に協力を持ちかけたり、礼の宗教に恨みを持つ新キャラが登場したりと今後の布石になりそうな展開が多かったのも印象的ですね。あとどいつもこいつも過去がいちいち重い。過去が重くないの九九くらいじゃないか? 寿雪が先代の言いつけを破ったことを延々気にしているので、基本ず~っと不穏なんですけど、いまいち劇的なことは起こっていない感じですね。ただキャラ同士の掛け合いは楽しいし、それぞれのエピソードを貫く雰囲気のよさもあるので、続きも少しずつ読んでいきたいですね。