あすはひのきになろう

ライトノベルを中心にいろんなコンテンツの感想を記録していきたいブログ

丘ルトロジック 沈丁花桜のカンタータ【感想】

 

 2020年9月9日読了。初版は2010年11月1日(あらすじのリンク参照)なので大体10年前のラノベになります。これもずっと気になっててやっと読めました。

あらすじ

 第15回スニーカー大賞《優秀賞》。選考委員を最後まで悩ませた問題作!!


神楽咲高校に入学した俺は、「丘研」の入部案内を見て直感した、これぞ〈風景〉を愛する俺のための部活だと! 代表と意気投合し早速入部。だが、丘研の正体は代表の野望に奉仕する「オカルト研究会」であった!!

出典:https://www.kadokawa.co.jp/product/201008000068/

 

 

感想

 キャラクターの魅力が光る作品でした。「丘研」部員たちのどこか常人とはずれた感性や狂気が明らかになる瞬間が非常に面白かったです。特に主人公江西陀(ネタバレにつき反転)はどっちかというと一般人寄りのキャラだと思ってたので終盤の二人の口から語られる狂気はなかなか衝撃でした。主要キャラがいずれも個性的で、それぞれの価値観というか、どういう信念に基づいて生きているかがきちんと語られているのも好印象でした(共感できるかは置いといて)。

 物語展開も巧みで、飽きることなく読めました。いわゆる「変な部活もの」の枠に収まらない展開には興奮させられましたし、文章も幼稚すぎず難しすぎず、こなれている印象を受けました。ただ、「世界を取り戻す」という沈丁花部長の主張とか「支配」に関する考え方は理解しがたい部分も多かったです。

 4巻まで出ているようなので機会があれば是非最後まで読みたいです。