あすはひのきになろう

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君に読ませたいミステリがあるんだ【感想】

 

君に読ませたいミステリがあるんだ

君に読ませたいミステリがあるんだ

 

 2021年3月23日読了。

 

あらすじ

「推理」を愛するすべての人へ。
ミステリを書き、読むことの面白さが“過剰”に詰まったユーモアミステリの超快作、誕生!!

舞台は『放課後はミステリーとともに』の鯉ケ窪学園。高校に入学したばかりの僕は「第二文芸部」の部室に迷いこんでしまう。学園一の美少女(自称)である部長・水崎アンナは、自作のミステリ短編集を強引に僕に読ませるのだが――。

桜舞い散る季節に起きた『音楽室の殺人』、ハンドボール部員が襲われる『狙われた送球部員』、女子更衣室が舞台の『消えた制服女子の謎』……アンナがたくらむ大仕掛けを、僕は、そして君は見抜けるか!?

テンポの良い展開、冴え渡るユーモア、そして想像を超える大トリックに、一気読み必至!

「迷わず読めよ。読めばわかる!」(by水崎アンナ)

 出典:https://www.j-n.co.jp/books/?goods_code=978-4-408-53758-0

 

 

感想

 鯉ケ窪学園が舞台ではあるものの、これまでのシリーズとのつながりはなさそう。部員一人の第二文芸部の美人部長に主人公が毎回次作の短編推理小説を読まされ、その穴というか突っ込みどころを指摘するという流れの短編連作です。良いタイトルですよね。

 まぁ全体としていつものこの作者という感じです。テンポがよく読みやすいですし、ギャグも大体いつもの感じ。作中作の出来も悪くはないですし、「そうはならんやろ」みたいなところも、そもそもその突っ込みどころを楽しむものなんだからしょうがないか……という気持ちになります。ただ、それにしたってフォローが雑というか、尻切れトンボな印象が残る話もありましたし、最後に明かされる作品全体の仕掛けも、それ自体は面白い仕掛けなんですが、それが今ひとつ登場人物の情動とつながるように思われず、あんまり腑に落ちませんでした。とはいえ、ガチガチのミステリ読みみたいに細かい点を気にしなければ十分面白いと思います。