あすはひのきになろう

ライトノベルを中心にいろんなコンテンツの感想を記録していきたいブログ

2021冬アニメ振り返り

 やります。前回は1話の感想を書けたら書くとか言ってた気がしますが、まぁ書けませんでした。基本的に核心的なネタバレは避けていますが、ネタバレしないと感想書けないような作品はがっつり書いているのもあるので未視聴作品の感想を読む際には注意して下さい。あと負の意見もあります。並びは五十音順です。前回に引き続き自分の勉強用にスタッフの情報も書いています。名前のリンクはWikipediaかアニメ@wikiに飛ばしてます。

 話題作の続編、注目作のアニメ化、オリジナル作品などなど、全体的にクオリティの高い作品が多く、毎日面白いアニメが見られて満足度の高いクールでした。近年稀に見る豊作のクールと言えるのではないでしょうか。

 

 

アイドールズ!

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アイドールズ! | アニメ動画見放題 | dアニメストア 

  テレビ朝日傘下のシンエイ動画81プロデュースによるオーディション企画「アイドールズプロジェクト」出身の新人声優の4人による3DCGアニメ。売れないアイドルが10日間で100人の箱をいっぱいにすることを目指します。ちなみに製作協力のRayはモーションキャプチャーで協力しており、声優本人の動きがキャラに反映されているそう(リンク)。監督の中野翔太はCMとかMVとかやっている人みたいで、アニメを作るのは多分初めて? シリーズ構成の宮本武史は『八男って、それはないでしょう!』以来2作目のシリーズ構成。キャラ原案は漫画家の渡会けいじで、『俺の妹がこんなに可愛いわけがない あやせif』のコミカライズを連載中。なんかアドリブだらけの大喜利を始めそうな雰囲気ですが、ダテコーは関わっていないのでそんなことはないです。

 僕は大好きですが、まぁ人を選ぶ作品だとは思うので、とりあえず1話見て合わないと思ったら素直に撤退すべきでしょう。僕は大好きですが。シュールギャグっぽいテイストで、8分アニメの癖に*1たっぷり間を取るし、話はジェットコースター並みに上がったり下がったりするし、良い意味で型破りなアイドルアニメでした。4人ともキャラが立ってて、毎話掛け合いがじわじわくるんですよね。ふざけ倒していた割にはオチもきれいでしたし、良いアニメだったと思います。楽曲も全部良い曲で、なんか頑張れば僕でも踊れるんじゃないかと思わせる絶妙なダンスも好き*2

 

IDOLY PRIDE -アイドリープライド-

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TVアニメ「IDOLY PRIDE -アイドリープライド-」 | アニメ動画見放題 | dアニメストア

  最終話までのネタバレがあるので、未見の方はご注意下さい。

 CygamesやAbemaTVの親会社であるサイバーエージェント、芸能事務所のミュージックレインKADOKAWAを退社した編集者の三木一馬が立ち上げた作家のエージェント会社・ストレートエッジが協力して展開するメディアミックス作品。監督の木野目優は『ようこそ実力至上主義の教室へ』や『あそびあそばせ』で助監督・副監督を務め本作が初監督。キャラ原案は『天体のメソッド』『ガーリッシュナンバー』のQP:flapper、キャラデザは『ガーリッシュ ナンバー』『おちこぼれフルーツタルト』の木野下澄江、シリーズ構成は『アイドルマスター シンデレラガールズ』『エロマンガ先生』の高橋龍也、アニメーション制作は『暗殺教室』『クズの本懐』『彼方のアストラ』のLerche

 うーん、試みとしては悪くなかったんですが、総じてソシャゲの販促アニメとしてしか機能していなかったかなぁと。1話でトップアイドルの階段を駆け上がっていたヒロインポジの子が事故死して幽霊になるというどこかの佐賀アニメを想起させる導入自体は良いつかみだったと思います*3。しかし、その幽霊設定とか、アイドルの実力をAIで判定させるシステムとかの設定が全然物語に活かせている感じがせず、むしろそれらの設定が足かせになっているような印象を受けました。特に最終回の決勝の結果はちょっと受け入れがたかったです。AIの設定が完全に無意味になりますし、それまでの流れが全部茶番のように見えてしまいました。心臓の移植手術だのマネージャーが実は幽霊が見えるだのの説明も、キャラが割と超速で事情を理解していくので、スムーズっちゃスムーズなんですが今後の展開のために強引に話を進めている感が否めず。キャラもガンガン増える割には掘り下げも不十分で(というより尺的にメインの二人しか掘り下げられなかったと言うべきか)、最後までほとんど名前を覚えられませんでした。曲は良いのも多かったし、ライブシーンも頑張ってるところは頑張ってました。が、他のアイドルアニメと比べて本作の強みと言えるものが見えてこなかったのは残念です。

 

アズールレーン びそくぜんしんっ!

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 視聴者が求めていたもの。

 アプリゲームの公式Twitterおよび「まんが4コマぱれっと」にて連載中のホリによる4コマ漫画が原作。監督は『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ ツヴァイ!』よりプリヤシリーズの監督を務めている神保昌登。最近では『川柳少女』『へやキャン△』といったショートアニメでも監督をしています。キャラデザ・総作監は『夏目友人帳 陸』や『とある科学の超電磁砲T』でサブキャラデザインを担当した萩原弘光。ちなみに協同で総作監を務める斉藤健吾はアニメーション制作のYostar Picturesの取締役だそう。Yostar Picturesは自社ゲームのアニメPVを主に制作していて、テレビアニメの制作は本作が初。連名でクレジットされているstudio CANDY BOXも制作協力がメインだったよう。

 初期艦のジャベリン綾波ラフィー+ニーミ先生(Z23)が中心となってわちゃわちゃするっていうだけのショートアニメなんですが、まさに視聴者が求めていたものって感じの良アニメでした。エッッッッっていうシーンもちょいちょいあるんですが、そっちに過度に振りすぎずキャラデザとかストーリーとかは可愛い系に寄せてたのも個人的に良かったですね。ゲームやってたのは大分昔なのでもう知らないキャラとかも出てきたんですが、まぁ雰囲気で普通に楽しめました。ただ、ベルファストとチビベルファストが会話してるのはなかなかシュールで、大丈夫?アイデンティティ崩壊したりしない?となりましたが。

ウマ娘 プリティーダービー Season 2

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 大傑作。見ろ。

 Cygamesの展開するメディアミックス作品の第2期。君はもううまぴょいした? 「実際の競走馬の物語をモチーフとし、事実に基づいた表現を心掛けたフィクション」を標榜しているだけあり、作中のあらゆる場面に史実ネタがちりばめられているよう。僕は競馬知識は全くないのですが、知らなくても全然楽しめますし、解説動画とかもあるので気になったらそれを見てみるのも良いと思います。監督は1期に引き続き『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。続』『ヒナまつり』の及川啓、キャラデザ・総作監椛島洋介(『戦姫絶唱シンフォギア』のOP)、キャラデザの辻智子(『劇場版 SHIROBAKO作監)も1期から続投。2期から新たに加わった総作監藤本さとる、メインアニメーターとしてクレジットされている式地幸喜小畑賢中島順宗圓祐輔は全員『シンフォギア』シリーズに参加しているようで、感想を見ていると1話のライブシーン~ED入りがシンフォギアっぽいと言っている人も結構いたみたい。アニメーション制作は1期のP.A.WOKSからゴンゾの流れを汲むスタジオ櫂に変更されています。TVアニメの元請は初。ただ、制作協力としてちょいちょいP.A.も関わっていたようではあります。

 執拗な天丼ネタとか観客のモブが級にベラベラ喋ったりJRAのCMネタ言い出したりとか結構人を選ぶ要素もなくはないんですが、それより何よりストーリーと演出が素晴らしい。今期ではトウカイテイオーメジロマックイーンが物語の中心なんですが、この二人だけだと多分どうしても怪我怪我怪我と、怪我の話ばっかりになってしまうと思うんですね。そこに、ライスシャワーだったり、ナイスネイチャだったり、ツインターボだったりといったサブキャラの物語を組み込むことで大筋のマンネリ化/パターン化を防ぐと同時に、主人公とサブキャラが物語が相互に影響し合うことでより一層面白くなっている、この構成が本当にすごいと思います。あとはOP・EDの使い方も非常に上手い。8話の特殊OPは初見鳥肌ものですし、EDは物語の進行に合わせてて非常に象徴的に変化していっており、特に12話の歌唱パート入れ替えと視点の反転はシンプルな演出ながら強く心動かされるものがあり、またしばしば飛ばされがちなOPEDを効果的に使って尺をフルに作品に生かしているという点で、高く評価されるべきでしょう。作画面でも、安定感で言えば、例えば今期の『無職転生』や『ワンダーエッグ・プライオリティ』とは比べるべくもありませんが、肝要な部分では必ずしっかりと決めてくれていました。可愛さとかっこよさという別ベクトルの魅力を引き出し、またレースシーンでの各キャラの走り方の細かい違いも描写されていたのも良かったです。

 メディアミックス作品として近年稀に見る成功であるというだけにとどまらず、一アニメ作品としても間違いなく傑作だったと思います。広く多くの人に見ていただきたい作品です。

 

裏世界ピクニック

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  「くねくね」や「八尺様」といったネットロアをモチーフに、鳥子と空魚の女子大生二人が「裏世界」と呼ばれる現実ならざる世界を探検する話。原作は宮澤伊織によるハヤカワ文庫JAの小説。監督は『STEINS;GATE』(共同)『selector infected WIXOSS』『少女たちは荒野を目指す』の佐藤卓哉で、シリーズ構成と音響監督も兼任。最近はOVAで『あさがおと加瀬さん。』『フラグタイム』という割と直球の百合系作品を連続で手がけていますが、今作も割とそういう雰囲気があるのでその流れを汲んでいるのかも。総作監・キャラデザはP.A.WORKS出身で『クロムクロ』の総作監(共同)を務めた西畑あゆみ。アニメーション制作は『山田くんと7人の魔女』『寄宿学校のジュリエット』『放課後さいころ倶楽部』のライデンフィルムと『ネコぱら』のFelixFilmの共同。FelixFilmは3DCGが専門の会社なので、引きのカットとかでは積極的に人物に3DCGを使っていました。

 原作既読組ですが、率直に言って満足のいく出来とは言い難かったです。ただ、そもそも本作が映像化しにくそうということもあって、一概にアニメ化ガチャの外れを引いた、みたいには片付けにくいところもあります。原作は文章表現でよく分からない怖いものを描写するのがとても上手いんですが、アニメになることによって「なんだかよく分からない怖いもの」が明確にビジュアルを伴って目の前に現れたことによって逆に怖くなくなってしまった、と個人的には感じました。空魚と鳥子も確かにかなり感覚が一般人とズレてきてる感じあるんですが、アニメだと表面の言動しか見えないのでそういう側面が強調されてただの常識欠けた奴みたいに見えちゃってた気がします。構成としても米軍救出をラストに持ってきたかったのは分かるんですが、きさらぎ駅に行ってからまぁまぁ時間経ってから「さぁ救出に行こう!」つっても今更!?ってなっちゃうんですよね……。お前らそのあとも全然気にせず裏世界満喫しとったやん!みたいな……。あとはいかにも(迫真)って感じの劇伴もあんまり合ってなかったかな……。なんだかネガキャンばかりになってしまってとても申し訳ないですが、空魚に八重歯を生やしたのと小桜を原作以上の可愛さで描いただけでもアニメ化の価値はあったと思います。

 

EX-ARM エクスアーム

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Amazon.co.jp: EX-ARMエクスアームを観る | Prime Video

 「グランドジャンプ」から「少年ジャンプ+」に移籍した後2019年6月に完結した漫画・古味慎也、原作・HiRockによる漫画が原作。現在は続編となる『EX-ARM EXA エクスアームエクサ』が「グランドジャンプむちゃ」にて連載中。監督の木村好克は実写畑出身で、アクション監督を務める大内貴仁はヤンキーたちが戦うドラマ『HiGH&LOW』シリーズでアクション監督をしている人なので、まぁそっちに力入れたかったんだろうなとは思います。シリーズ構成とかキャラデザとかググっても全然ヒットしないので、あとはお察しって感じです。アニメーション制作のビジュアルフライトは調べた限りだとアニメ制作に関わるのは初っぽい。本来はゲームのアセットとか作ってるらしい。

 本作のことを何も知らない、という人は検索してOPなりPVなりを見に行ってみて下さい。……まぁ、そういうことです。3DCGがメインの作品なので、単純な作画崩壊というよりは、全体的にクオリティがめちゃくちゃ低いと表現するのがあってる気がします。3Dモデルの出来が非常に不気味で、氷上のパターンがめちゃくちゃ少ないんですよね。目もなんか常に瞳孔開きっぱなしでガンギマってて、なんかクスリでもやってんじゃないかみたいな印象を受けます。アクションシーンもこだわりたいっていうのは何となく伝わってくるんですが、とにかくモデルのクオリティが低いせいで全体的にのっぺりしてるし、カメラワークも下手だし、3Dモデルのキャラと2Dの作画で描かれたキャラが同居するカットから受ける不自然さは想像以上でした*4。画面に比して声優の演技がめちゃくちゃ浮いててなんだか気の毒でした。あと主人公がほぼずっと裸で局所を光らせてんのはギャグのつもりか? 正直途中からは流し見だったんですが、ストーリー自体はまぁまぁ面白そうで、それだけに非常に残念な作品でした。

SK∞ エスケーエイト

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SK∞ エスケーエイト | アニメ動画見放題 | dアニメストア

 二人の拳を付き合わせたタイトル回収、エモエモのエモ。

 イケメンがスケボをするアニメ。監督は『Free!』『BANANA FISH』の内海紘子、シリーズ構成・脚本は『革命機ヴァルヴレイヴ』『プリンセス・プリンシパル』の大河内一楼、キャラデザ・総作監は『機動戦士ガンダム00』『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』の千葉道徳。他にも『文豪ストレドックス』監督の五十嵐卓哉が絵コンテ切ってたり、OP演出に『ジョゼと虎と魚たち』監督のタムラコータローがいたり、ED演出・原画に『同級生』『BANANA FISH』キャラデの林明美がいたり、アクション作監に『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ作監加々美高浩がいたり、作監京アニ出身で『天気の子』のカットで話題になってた植野千世子がいたりしてググってみると楽しい。アニメーション制作はアクション作画に定評のあるボンズ

 そこはかとないBLのかほりは漂っていますが、男でも普通に全然見れます。キャラがみんな立ってて魅力的で、特に愛抱夢(CV子安武人)のインパクトは今期一だったかもしれません。言動全てが気持ち悪いのに加えて、変態的なスケボーテクニック、スケボーの対決なのに途中でボード下りてそのまま板でぶん殴ってくる意味不明さ、極めつけは最終回の「お前は一生僕の犬だ」(ネタバレにつき反転)発言と、そのキャラの濃さはなかなかのものです。そういう飛び道具的な面白さに加えて、ストーリー自体も、「スケートは楽しい」という1本の軸を通しつつ、レキとランガの関係性を中心にそれぞれの心情の移り変わりが伝わってくるしっかりしたものになっていて、そこが非常に良かったです。“S”の会場とか諸々の「そうはならんやろ」みたいな突っ込みどころも含めて遊び心に溢れており、制作陣のやりたいことを詰め込んだような見ていてとても楽しい良作でした。EDの失敗シーン集、好き。

 

オルタンシア・サーガ

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 オルタンシア・サーガ | アニメ動画見放題 | dアニメストア

  1話からいきなり反乱が起こって国王が殺されるところから始まるアニメ。王女は辛くも難を逃れ、反乱で父を失った主人公の住む領地で男装し身分を偽って成長して……みたいなところから始まる。原作はf4samuraiの運営するゲームアプリ『オルタンシア・サーガ -蒼の騎士団-』。2015年から配信されており、細く長く続いてる感じのゲームっぽい。監督は『キリングバイツ』の西片康人、シリーズ構成は『理系が恋に落ちたので証明してみた。』の池田臨太郎、キャラデザの小野田貴之は本作が初のキャラデザっぽい。アニメーション制作のライデンフィルムは今期これで2本目。内容は王道のファンタジー戦記ものっぽいんですが、とにかく声が強い。細谷佳正堀江由衣津田健次郎上田麗奈梅原裕一郎子安武人などなど全員主役でもおかしくないような声優ばかり出てます。

 ストーリーはガッツリ王道ファンタジーって感じで個人的には割と好きだったんですが、まぁぱっとしない印象は拭えないですね……。主人公含めキャラが全体的に薄くて取り立てて魅力がないのが良くなかったような気がします。男装麗人の堀江由衣とか一人二役双子の釘宮理恵とかおってなるキャラもいたんですけどね……。劇伴はすごい良くて、次回予告とかで使われているメインテーマ?がめっちゃ好きです。あとオチが割とメリーバッドエンドっぽくて結構びっくりしました。ゲームのシナリオとはどういう関係だったんだろう……。

 

俺だけ入れる隠しダンジョン

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 は?

 「小説家になろう」発の瀬戸メグルによるKラノベブックスのライトノベルが原作。 監督は『理系が恋に落ちたので証明してみた。』で副監督を務めた大西健太。監督は初めてっぽい。ちなみにリケ恋で監督だった喜多幡徹は本作ではクリエイティブプロデューサー(なにそれ?)という役職に収まっている。シリーズ構成は『慎重勇者 ~この勇者が俺TUEEEくせに慎重すぎる~』『社長、バトルの時間です!』で同職を担当した猪原健太。キャラデザ・総作監上武優也は検索しても本作の情報しか引っかからず。誰かの変名? アニメーション制作はdavid productionから派生したオクルトノボル。元請はダンデライオンアニメーションスタジオとの共同制作である『あかねさす少女』以来2作目で単独は初。

 作画も話もB級って感じで頭空っぽにしてゲラゲラ笑えるタイプのアニメです。主人公の持ってる創作・付与・編集ってスキルがかなり卑怯で、相手に好きにスキルを与えたり削除したり出来るんですが、そのスキル使用に必要なLPというポイントの貯め方が性欲を満たす*5こと……って感じで、1話から幼馴染*6とキスかますし、なんか主人公に対するヒロインズの好感度が異常に高いので女性用の温泉に突っ込んでもお咎めなしなばかりかヒロイン達が自主的に寄ってくるしでここまで来るといっそ清々しかったです。その分視聴者の主人公への好感度は最低でラスボス戦ではみんなラスボスの方を応援してて笑いました。まぁちょっとだけ真面目な感想を付け加えとくと、やっぱり主人公のスキルが卑怯に見えるというか、正々堂々してないくせにすごい善人面してて周りからの評価もめっちゃ高いのがこちらの認識とギャップを起こしてたんだと思います。でもそういうアニメなんだと受け入れれば全然楽しめると思います。あと内容に比してOPとEDが名曲過ぎる。

怪病医ラムネ

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 「月刊少年シリウス」にて連載された後、「マガジンポケット」に移籍した阿呆トロによる漫画が原作。要は一度打ち切りになったけれど、マガポケで復活、Twitterでバズるなど人気が出てアニメ化、という流れのようです。ただ、連載の方は2月22日更新分で停止しており、2度目の打ち切りという噂もチラホラ。完結という発表はないみたいだし、どうなんですかね……? 監督は80年代から『魁!!男塾』などの演出を担当してきた大庭秀昭、シリーズ構成は『この音とまれ!』の久尾歩、キャラデザは『かくりよの宿飯』『7SEEDS』の佐藤陽子。アニメーション制作はブレインズ・ベースから2016年に独立したプラチナビジョン

 心の悩みが原因で引き起こされる「怪病」を専門とする医者・ラムネが患者の抱える悩みを解決していくというお話。何故か怪病は食べ物縛りで、目からマヨネーズ、爪が唐辛子、耳が餃子、頭からポップコーン……といった具合。ストーリー自体も、竹輪の陰茎!wみたいなふざけた回をやったかと思うとバチクソ重いドシリアス回が来たりとなかなか忙しいアニメでした。結構寓話的というか、ちょっとした教訓みたいなのがある回が多くて、深夜枠じゃなくても……と思ったけどそうか、陰茎回があるから無理か……。1話1話はそれなりに楽しめるんですが、単話か2話で完結することがほとんどなのであんまり続きが気になるって感じではなかったですね。

 

蜘蛛ですが、なにか?

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 悠木碧劇場。 クラスごと異世界転生したものの、蜘蛛のモンスターに転生してしまった主人公が生き延びるため奮闘する……という大筋。連続2クールとのこと。「小説家になろう」にて連載されたのちカドカワBOOKSより書籍化された馬場翁によるライトノベルが原作。制作会社は『てーきゅう』(4期以降)『コップクラフト』のミルパンセということで、監督はもちろん板垣伸。シリーズ構成には『俺が好きなのは妹だけど妹じゃない』『インフィニット・デンドログラム』の百瀬祐一郎に加えて原作者の馬場翁もクレジットされてます。キャラデザは『ひとりぼっちの○○生活』の田中紀衣。stシルバー*7がちょいちょい制作協力してた様子。

 主人公の蜘蛛パートと一緒に転生したクラスメイトの人間パートに分かれてて、その人間パートがつまらんって言ってる人が結構多かった印象なんですが、個人的にはどっちのパートも大差ない面白さでした。蜘蛛パートも結局はずーーーーーーっとおんなじことやってレベル上げしてるだけなんでどうにも変わり映えしない印象が否めませんでした。主人公の一人語りも最初は良かったんですが、なんか主人公自身の人数が増えたり延々テンション高かったりでだんだんついて行けなくなってしまいました……。主人公はともかく敵のCGば正直ちょっと微妙だし、戦闘もぬるぬるなんですが動きが追えなくて何やってんのかたまにわかんないこともしばしば。ただまぁ1クール目の時点では伏線とか何も回収されていない状態なので、これから面白くなる可能性は全然あると思います。魔王の正体とか時系列をいじってるくさいところとか面白くなりそうな気配はちょいちょいしてるので。

ゲキドル

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 EDがエロいアニメ。

 世界同時都市消滅という謎(マジで謎)の災害から5年、SMT*8と呼ばれる3Dホログラムを使った演劇が流行っているという世界を舞台に、少女たちがステージを目指す……というお話。……と思っていたら途中から全然違う方向に行き始めて困惑。アニメーション制作はフッズエンタテインメントで、監督の上田繁は『メルヘン・メドヘン』で、キャラデザ・総作監立石聖は『戦×恋』に同じ役職で同社作品に参加しています。ちなみに、キャラ原案の関谷あさみは成人向け漫画家で、『クオリディア・コード』の千種兄妹(千葉)の同人誌で有名な人と言えば分かる人もいるかも知れません。チーフライターは『まちカドまぞく』『安達としまむら』でシリーズ構成を担当した大知慶一郎。調べると結構謎な企画で、オッドエンタテイメントという演劇とか舞台を企画している会社のメディアミックス作品だそうなんですが、企画自体は2015年から動いており(リンク)、主演の赤尾ひかるは「事務所に入ってから初めてのアフレコ」(リンク)とおっしゃっているので、恐らく初主演の『こみっくがーるず』(2018)よりは確実に以前にアフレコも終えてるはずなんですよね。何がどうなって今期放送されたんでしょうか……。

 1クール全部見切ったはずなんですが理解できない部分が多すぎましたね。もっと頭の良い人が見たら面白かったのかもしれません。ちょっと言い訳臭くて申し訳ないんですが、よく分からないからと言って考察したり見返したりって程の熱量を持つことが出来ませんでした。SFとか現実と虚構とかタイムリープとかもちろん演劇とかいろんな要素*9を詰め込んでいて、面白くなりそうな気配はあったんですが、伏線っぽい場面や謎が多すぎてもし回収されてたとしてももう覚えてねぇよって感じなんですよね。中盤以降はホントに訳が分からないまま見てました。同人作品としてならまだしも、エンターテインメントを是とする商業作品として見るにはかなり厳しいところがあります。キャラもリアル寄りのデザインだった分ちょっと覚えづらくて、性格も立ってるっちゃ立ってるんですけどあんまり愛着を持てず……。とはいえ、今のご時世でこういう野心的・意欲的なオリジナル作品が出てくること自体は歓迎したいですし、これに懲りずにまた新作を作ってくれればと思います。

 

怪物事変

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  紺とかいう娘、萌え。

 読み方は「けものじへん」。「ジャンプスクエア」にて連載中の藍本松による漫画が原作。監督は『終末のイゼッタ』の藤森雅也、シリーズ構成は『SoltyRei』『這いよれ!ニャル子さん』の木村暢、キャラデザ・総作監立花希望は『クラシカロイド』『KING OF PRISM Shiny Seven Stars』で作監を務めた後本作が初キャラデ。アニメーション制作は『本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません』『かくしごと』の亜細亜堂

 主人公が虐げられてるド田舎の方言が明らかに岡山弁で、調べてみたら作者が岡山出身でした。岡山嫌いなんかな? 地味にメインキャラのショタたちの過去がみんな重かったんですが、普段が和気藹々としていたのでシリアスになりすぎることもなくちょうど良い塩梅だったかなと。メインの三人組がどんどん良いチームになっていくのが見ててとても楽しかったです。生首になっても冷静な夏羽、常識人枠の織、いるだけで可愛い晶……。紺もそのうち加わらないかなぁ。彼女の情操教育が不十分なせいで夏羽への気持ちを全然自覚できてないけど何か違和感を覚えている様、非常に愛おしかったです。作画も高いレベルで安定していましたし、家族という一つの軸があったおかげで物語にもまとまりがあって優良なアニメでした。

 

五等分の花嫁∬

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 人気漫画の2期。続きは映画だそう(リンク)。「週刊少年マガジン」にて連載されていた春場ねぎによる漫画が原作。原作は2020年2月に完結している。タイトルの後ろに付いている記号は二重積分記号なんですって。何それ? 制作陣はシリーズ構成の大知慶一郎を除いてほとんどが1期から一新されており、アニメーション制作は『アズールレーン』のバイブリーアニメーションスタジオ、監督は『ゆゆ式』『えんどろ~!』のかおり、キャラデザは本作が初キャラデとなるバイブリー所属の勝又聖人となっています。

 一応原作完走しているので、消化試合感がないと言えば嘘になりますが、オチを知った上で見るのもなかなかどうして味わい深いものがあります*10。モノクロの漫画だと五つ子誰だろうクイズも多少は読めなくなるんですが、アニメだと何分声はついてるし髪色は違うしで一発で視聴者にはバレてしまうところがちょっと難儀なところですね。改めて見てもやっぱり作者の五つ子に対するヘイト管理ガバガバすぎるというか、つまりさすがに一花を擁護するのは厳しいと感じます。一花好きの僕でもそうなんですから三玖ファンとかブチ切れてたんじゃないかと心配です。確かに卑怯な手段を使っても勝ちたいという姿勢は駄目ではないのですが、バレてからの対応が完全に三下のそれで、卑怯なら卑怯なりに堂々としてれば良いのに屁理屈こねくり回したりするところが心証悪いです。まぁ今更グチグチ言ってもしょうがないんですけどね……。続編は来年の映画だそうで、完結まで持って行くつもりなんですかね? アニオリエンドなら考えますが、原作通りならパスかなぁ。

 

弱キャラ友崎くん

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  第10回小学館ライトノベル大賞で優秀賞を受賞した屋久ユウキによるガガガ文庫ライトノベルが原作。ポスト俺ガイルと言われたり言われなかったり。人生をクソゲーと断じる主人公がリア充の女子の指南を受け人生攻略へ踏み出す……といったお話。監督の柳伸亮、シリーズ構成の志茂文彦、キャラデザの矢野茜は同じproject No.9制作の『りゅうおうのおしごと』のスタッフ。ちなみに撮影監督と色彩設計も同じ。

 メインヒロイン(と言って良いのかわかりませんが)の日南を受け入れられるかどうかが視聴できるかどうかの分かれ目と言って良いでしょう。一応原作既読済みなのですが、確かに1話見ると「何だこの女」となるのもわからんでもないというか、ぶっちゃけ失礼すぎるんですよねこの人。やっぱり同じ作品でも文章媒体と映像媒体で受ける印象がかなり変わってきます。ただみみみの一件とかはアニメで見ても良回だったと思いますし、主人公やサブキャラがどういう価値観を持っていて、どう行動しているのかって言うのがきちんと描写されている点はとても優れているところだと思います。しかし、最終的に主人公が自分なりの考え方を見出し、日南と対峙するという一番盛り上がるところで終わってしまったのはやっぱり残念ですね。というか、原作でもそうなんですけど日南がなんでああいう信念を持ち、優秀たらんとする生き方をするようになったのかっていう謎を引っ張りすぎなんですよね。まぁそれ分かると作品終わりそうなんですけど。あと主人公の変化が可視化されるのはアニメ化して良かった点ですね。声優さんの演技も変化してるし、見た目も1話からずいぶん垢抜けてるっていうのを絵として見せられたのはアニメの強みだったと思います。

 

呪術廻戦

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 2クール目。ジャンプ適正が低いのでアレなんですが、普通に面白かったです。作画もいいしバトルも熱い。キャラも立ってるしギャグとシリアスの配分もちょうど良い。そりゃまぁ流行るよなぁって感じで毎週見てました。ただOPは前クールの方が好き。

装甲娘戦機

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  レベルファイブの展開する「ダンボール戦機」シリーズに登場するホビー用小型ロボット・LBXをモチーフにデザインされた“装甲”を身にまとう「装甲娘」たちの戦いを描く作品。DMM GAMESの提供するゲーム『装甲娘 ミゼレムクライシス』とはパラレルワールド的な関係だそう(リンク)。なんか企画の段階でいろいろあったらしく、そこら辺の説明が気になる人はリンク先のインタビューを読めば良いと思います。アニメーション制作は『球詠』『超可動ガール1/6』のstudio A-CAT。今回は3DCGがメインなので本領が発揮できるはず。監督の元永慶太郎は『超可動~』でも監督をされてました。シリーズ構成は『ローリング☆ガールズ』『ガンダムビルドダイバーズRe:RISE』のむとうやすゆき、キャラデザは『生徒会の一存』の堀井久美

 トンチキアニメ枠以外の何者でもないんですが、どうも憎めないというか、見ているうちに愛着が湧いてくるタイプの作品でした。特筆すべきは実質的総集編だった10話の扱いです。映像はほとんど既放送話を使い回しつつ、これまで登場していなかった政府の上層部とネイト(主人公たちをサポートしているAI)の対話の形式でここまでの流れを別視点で再回収し、なおかつ次話につなげるというなかなか面白い試みだったと思います。もちろん実質的に総集編なのに変わりはないのですが、何の芸もなくこれまでの話数を切り貼りした総集編垂れ流すよりは1000倍マシだったと思います。演出も結構ヘンテコで1話冒頭で延々埼玉周辺の路線の話してたり、クソ長い変身バンクを4人連続で流したかと思えば主人公のバンクは結局最後までソロではもらえなかったりと突っ込みどころはちょいちょいあります。あとはやっぱりギャグとシリアスの振れ幅のでかさですね。主要都市壊滅してたり難民キャンプ?的なものがあったりとか結構絶望的な状況の割には主人公も一部の大人もノリが軽かったり、かと思えば普通に飲食店営業してるとこもあったり、途中から主人公たちが修学旅行始めたりとかなり好き勝手やってて、ついて行けない人も多いとは思います。ですが、主人公グループが絆を深めたり敵と戦ったりといったくだりはちゃんと楽しめましたし、逆にご都合主義を逆手に取るみたいな、そこは普通成功するやろみたいなとこで失敗するとことか結構面白かったです。決して万人におすすめできる作品ではありませんが、悪い作品でもなかったと思います。

 

たとえばラストダンジョン前の村の少年が序盤の街で暮らすような物語

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たとえばラストダンジョン前の村の少年が序盤の街で暮らすような物語 | アニメ動画見放題 | dアニメスト

  タイトルが長い。

 各話タイトルも長いんですが、何故かだんだん短くなっていくんで最終話の頃には「あれ、なんか短くない?」と慣らされる罠。第8回GA文庫大賞優秀賞を受賞して刊行されたサトウとシオによるライトノベルが原作。Web原作と思われがちですが違うみたいです。ラストダンジョン近くの村では最弱の少年でも、そこから離れた町ではめちゃくちゃ強い、でも当人はその自覚がなくて……というシリアスよりはドタバタコメディがメインの作品。本作が初監督のmigmiはかつて安美錦名義で演出をされていたみたい*11。シリーズ構成の赤尾でこは最近だと『通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか?』『超人高校生たちは異世界でも余裕で生き抜くようです!』『アサシンズプライド』などでラノベ原作のシリーズ構成を担当。キャラクターデザインの飯野まことは『ロクでなし魔術講師と禁忌教典』『はねバド!』などライデンフィルム制作作品で総作監を務めた後、初キャラデ。ちなみに『魔王様、リトライ!』の原作イラストも担当しています。ライデンはこれで今期3本目。

 基本ギャグのパターンがアンジャッシュ(主人公の無自覚やらかし)しかなく、登場人物が落ち着きのない奴ばっかりなので見てて疲れるところはあったものの、十分楽しめたと思います。ベルト姫のインパクトがすごかったですね。ストーリー自体もテンポ良い割にはきれいにまとまっていて、ギャグやキャラにはまることができればかなり見やすいアニメだったと思います。作画も戦闘シーンなんかは頑張っていた印象。

 一つ文句をあげるとすればEDではぺったんなリホの胸が本編ではかなり盛られていたこと。どっちが真の姿なの?

転生したらスライムだった件 第2期

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転生したらスライムだった件 第2期 | アニメ動画見放題 | dアニメストア

  「小説家になろう」原作の大ヒット作品の2期。2期は分割2クールで、今期は第1部、来期はスピンオフ漫画『転スラ日記』のアニメ化、夏クールに第2部、という構成で9ヶ月連続で関連作品が放送予定。監督は菊地康仁から副監督だった中山敦史に交代。監督を務めるのは『アブソリュート・デュオ』に続き2作目みたい。その他シリーズ構成の筆安一幸、キャラデザの江畑諒真などメインスタッフは概ね続投。ちなみに閑話である24.9話は事実上1期の総集編なので、内容を覚えてる人は見る必要はないかも。

 これまでに比べると結構シリアス成分が強め……というか後半の内容が濃かった分前半何やってたかあんまり覚えてないです(小声)。ヒナタと戦ってたのは覚えてるんだけど、もうちょっと前半圧縮できたような気がしないでもないです。実は見せ場のはずの後半の展開が個人的にはあんまり好きじゃなかったんですが、多分俺TUEEE展開が嫌いとかそういうことじゃなくて、リムルの所業が「仲間のため」という大義名分を得て正当化されて描かれているように見えたからかなぁと思いました。もちろん彼なりの葛藤も描かれてはいたんですが、リムルが正義側として描かれるのにはやや違和感がありました。あと最初からずーっとリムルと連れ添って(?)きた大賢者がちょっとキャラ変わったのはびっくりと同時になかなか感慨深いものがありました。

 

天地創造デザイン部

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Amazon.co.jp: 天地創造デザイン部を観る | Prime Video

 天啓です!

 「月刊モーニングtwo」にて連載中の蛇蔵*12鈴木ツタ(共同原作)、たら子(作画)による漫画が原作。監督は『サクラクエスト』『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』の増井壮一、シリーズ構成は『侵略!イカ娘』『SHIROBAKO』の横手美智子、キャラデザは『ソマリと森の神様』でサブキャラデザ(共同)や総作監を務めた大橋幸子総作監は『彼女がフラグをおられたら』『スタンドマイヒーローズ PIECE OF TRUTH』で作監を務めた水竹修治、アニメーション制作は『パンでPeace!』『お前はまだグンマを知らない』の旭プロダクション。

 神様の下請けとして動物のデザインを担うデザイナー達が神の無茶ぶりオーダーに応えていくお話。勉強になるし面白いけど15分でも良くない?と思ったり思わなかったり。普通に啓蒙アニメなのでNHKとかでやっても全然よさそう。前振りから何の動物が来るか露骨に分かってしまうと若干興ざめしちゃいますが、わかんなかったときはそーなのかぁとなるし、まぁ予想が付いてても大概知らない知識をいくらか教えてくれるんでまぁいいかとなります。デザイン部の面々の個性がだんだん分かってくるにつれてより面白くなっていったと思います。あとは虫部とか地獄とかなんかネタ切れさせないように頑張ってるなっていう印象でした。

Dr.STONE 第2期

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 「週刊少年ジャンプ」にて連載中の原作・稲垣理一郎、作画・Boichiによる漫画が原作。メインスタッフは第1期から概ね続投。

 v.s.司帝国編。なんかあんまり波長が合わないなぁと思いながら見ていたんですが、結局キャラのデザインと口調が好みではない、という身も蓋もない結論に至りました。や、話が面白いってのもわかるし人気出るのもわかるんだけど、どうにもハマりきれない……。1期の親父編は結構好きだったんですけどね。今んとこ「科学ってスゲー!!」の一辺倒なんですけど、そろそろ千空の科学信仰が揺らぐ展開があったりしても良いんじゃないかなぁと思ったり。
 

 

2.43 清陰高校男子バレー部

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  福井県の高校を舞台に、全国大会を目指す男子バレー部を描く……んだけど1話時点だと主人公たちはまだ中学生。壁井ユカコによる小説が原作。監督は『三者三葉』『ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風』(共同)の木村泰大、シリーズ構成は『機動戦士ガンダム00』『ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン』の黒田洋介、キャラデザは『コメット・ルシファー』『星合の空』の高橋裕一。アニメーション制作は『はたらく細胞』『炎炎ノ消防隊』のdavid productionで、今期2本目。

 僕がスポーツものあんまり積極的に見ないせいもかなりあるとは思いますが、あんまりのめり込めず。爽やかなスポーツものというよりは衝突したりすれ違ったりの人間関係重視の作品だったかな。基本的にネガティブなことがきっかけで話が転がるので見てて全然テンションが上がらないんですよね。暴力沙汰起こしたとか、誰かが怪我したとか……。あとは「清陰高校」とサブタイについてるわりには途中から福井の別の強豪校の話が始まっててそれもちょっと置いてけぼり感がありました。いやまぁ最終的にはつながるんですけどね。そんな感じで見てたので、最終回で頬染めあっていちゃいちゃする主人公コンビを見ると「結局BLやないかい!」となってしまいました。許して。あ、OPは曲も映像もめっちゃかっこよくて良かったです。

 

のんのんびより のんすとっぷ

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  「地球を冒険するには遅すぎ、宇宙を冒険するには早すぎる時代に生まれた我々だが、のんのんびより のんすとっぷの最終回というこの瞬間に立ち会うことができた。生きるとはなんと素晴らしきか」

 ガキが戯れるのを見て涙を流す成人男性になってました。「月刊コミックアライブ」にて連載されていたあっとによる漫画が原作。2021年4月号にて完結。嘘だろ……? メインスタッフは1期・2期から概ね続投。

 制作に携わった全ての方々に感謝したいです。本当に本当に良い作品でした。最初に掲げたコピペ、誇張でも何でもないんですよね……。近年の日常系と呼ばれる作品って基本的に美少女と何か*13を組み合わせたり、それでなければ部活ものだったりがほとんどで、本作のような「狭義の日常もの」はもはや絶滅危惧種に近いのではないかと思います。

 それはさておき、ここすきポイントを語り出すとキリがないんですけど、大暴走こまぐるみは今期の一つの大きな見所ですし、ひか姉はもう出てくるだけで面白いですし、ほのかちんにもらった髪飾りをそれからずっとつけてるれんちょんはマジで愛おしいですし、11話の駄菓子屋のアニオリ演出はまさに天才的ですし、最終話の「いつもと同じ道じゃないん/雨の時とか曇りの時とかいつもちょっと違って楽しいのん」「今日もいつもと違うお天道日和なん」って台詞めちゃくちゃ好きなんですよね。これ毎日通ってる通学路に対する感想なんですよ? 何食ったらこんな感受性豊かに育つんや……。今期は後輩ポジの新キャラが出てきたりということもあって、全体的に成長というのがテーマになっていた印象があり、最終話でその要素が一気に回収されて、感無量でした。あとOP・EDもやっぱり良くて、特にOPの「明日もまたココで会おう ゆびきりなんて要らないよ」ってとこは毎回胸に来るものがありました。そう、子どもの頃は約束なんかしなくたって毎日そこに行けば友達に会えたんですよ、でも成長するにつれて人に会う時って約束するのが普通になっていくじゃないですか、そういうなんてことはない当たり前の変化がこう、浮き彫りにされて、いやもうね……。ガチのマジで名作なんでホントにみんな見てくれ、頼む。

はたらく細胞!!

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  「月刊少年シリウス」にて連載中の清水茜による漫画が原作。1月発売の3月号で完結。監督は第1期の鈴木健一から『黒執事II』『エリアの騎士』の小倉宏文に交代。シリーズ構成の柿原優子、キャラデザの吉田隆彦は続投。アニメーション制作もdavid productionから変更なし。

 8話しかなかったんであっちゅう間に終わりました。しかも半分くらい去年の映画で先行上映した内容らしいので映画見た人はあんまり楽しめなかったんじゃないかと思ったり。ただまぁやってることはずっと似たり寄ったりなんであんまりだらだらやってもだれちゃったかも。それにしたってラスボスが前回と同じ石田細胞なのは芸がないんじゃないかと思っちゃいました。本誌の最終回あたりではコロナウイルスを取り上げたそうなので、どうせだったらそれで締めてくれた方が良かったなぁと思ったり。制作時期的に難しかったのかもしれませんが……。意外と花澤赤血球の出番が少なかった印象で、一般細胞に焦点が当たってたのが新しい切り口と言えば新しい切り口だったかな? 個人的にはこっちとBLACK両方出てきたピロリ菌のデザインが全然違ったのが印象的でした。見やすい一方でBLACK見ちゃうと刺激が足りないんですよね。でもBLACKだけ見ても心が折れるので、両方合わせて見るのが吉でしょう。

はたらく細胞BLACK

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 ブラックな方のはたらく細胞。名前の通り、原田重光(原作)・初嘉屋一生(作画)による『はたらく細胞』のスピンオフ漫画が原作。監督は『ストライク・ザ・ブラッド』『魔法少女特殊戦あすか』の山本秀世。シリーズ構成は舞台・ドラマ・映画などで幅広く脚本を手がける森ハヤシ。本作が初シリーズ構成、全話脚本らしいです。キャラデザは『重神機パンドーラ』『おそ松さん』3期でキャラデザを務めた安彦英二。そしてアニメーション制作のライデンフィルムはこれで今期4本目。大丈夫か?

 勉強になる度というか、身につまされる度で言えばこっちの方が確実に上でした。徹夜ばっかりしたりエナドリばっか飲んだり酒タバコばっかやってる不健康どもは全員履修すべきでしょう。まず不健康な体をブラック企業になぞらえる着想が非常に面白いですし、めちゃくちゃシリアス*14で、のほほんとした本家とのギャップがすごい。不健康っていうだけではなく、本家では作風上描けないけれど体内で行われているネガティブな活動(主に細胞の死に関わること)を描いてくれているのも本編を補完するスピンオフとして優秀だと思います。ストーリーも、過酷な環境の中でそれでも毎日仕事はしなくちゃいけなくて、「何のために自分は働いているんだろう」と主人公が自問自答するのが良かったですね。オチもなかなかエッジが効いてて好きです。ただ生殖行為あたりの回はじわじわくるものがありました(主に精子の見た目とか)。

 

バック・アロウ

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バック・アロウ | アニメ動画見放題 | dアニメストア

 壁に囲まれた世界、リンガリンドを舞台に、壁の外から来たということ以外記憶を失った主人公のバック・アロウを中心に描かれるロボットアニメ。2クール連続作品。監督を谷口悟朗、シリーズ構成・全話脚本を『天元突破グレンラガン』『キルラキル』の中島かずき、キャラ原案を『マギ』の作者である漫画家・大高忍、キャラデザ・総作監を『牙狼〈GARO〉-炎の刻印-』『将国のアルタイル』の菅野利之が務めています。またプロップデザイン(小物のデザイン)を『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』『機動戦士ガンダム00』でメカニックデザインを担当した寺岡賢司、作中に登場するロボット、ブライハイトのデザインを『マクロスF』『創聖のアクエリオン』でメカニカルアートを担当した天神英貴が担当しており、まぁゴリゴリのロボットものかなぁって感じです。アニメーション制作はマッドハウスの流れを汲むスタジオヴォルン。『からくりサーカス』『君の膵臓を食べたい』の制作会社で、オリジナルアニメの単独元請は初。

 個人的にはノリと勢いにはまれるかが大きい気がしますが、僕はとても好きです。細かい突っ込みどころを熱さと勢いでなんとかしていくところが『キルラキル』を思い出してめちゃくちゃアガるんですよね。OPとEDが物語の進行に合わせて変化していくタイプのやつで、特にOPは新キャラが増えるたびに変化していって毎週ワクワクしながら見てました。ストーリーはバチクソテンポが良くて、伏線というか前振りを全然引っ張らないで、1回でめちゃくちゃ話が進むんでそこも見やすかったですね。皇帝のジジイとか二重人格のお姫様とかちょいちょいめちゃくちゃキャラ濃いのがいて、そいつらがバトルするんだからもう熱くないわけがないんですよ。ただ、それに比べると主人公の影が若干薄いかなぁとか。あと1クール目では結局壁の外の話は進まなかったので、そこらへんは2クール目以降に期待ですね。最後はまた宇宙に行くんやろなぁ……。

 

ひぐらしのなく頃に

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ひぐらしのなく頃に業 | アニメ動画見放題 | dアニメストア

 2クール目。終わってないやんけ!と思ったら7月から『ひぐらしのなく頃に卒』が始まるそう(リンク)。 考察とかしてたらもっと面白いのかもしれませんが、僕は半分スプラッタ見る感じで視聴してました。グロシーン、もはや半分ギャグみたいな所あると思います。古参ファンはどう受け止めたのかわかりませんが、結構先が気になる展開だったし、物語的なカタルシスも随所にあって結構楽しめた方だと思います。後半は沙都子と梨花ちゃんが対立する展開になりましたが、沙都子の方にはあんまり共感できませんでした。100年ド田舎に閉じ込められてた梨花ちゃんが気の毒ってのもあるし、お前はその梨花ちゃんを妨害する努力をもっと勉強に向けろや、と思ってしまいます。いや失敗しても全部指パッチンで済ましてしまってるの大分精神ヤバいことなってる気がするんですよね。これまでの謎は割と郷壊し編で解決された感もありますが、結局これどうオチつけるつもりなんでしょうか。

BEASTARS(第2期)

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BEASTARS | Netflix

 メインスタッフは第1期から概ね続投。1期最初からずっと謎だった食殺事件に一応のけりがつきます。と同時にルイ先輩も結構大きな転機を迎えてて、僕はやっぱりどういう気持ちでこれ見れば良いのかよくわかんなかったですね。もうずっとこうなんじゃないかと思います。動物で人間ドラマ、ってのが基本コンセプトだとは思うんですが、肉食と草食とか、動物としての生きる殺すとか、矜持とか、人間に単純に当てはめて語れる構図が全然なくて、キャラに全然共感できないんですよね。これけなしてるとかでは全然なくて、世界観が確立しているという意味ではめちゃくちゃすごいと思うんですが、いかんせんその点が視聴スタンスの定めにくさに影響を与えていることは否めません。とはいえ、お話も面白かったし、主人公の演技も良かったし*15、CGの動物たちも上手くはまってて、ハイクオリティなアニメであることは間違いないと思います。

PUI PUI モルカー

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PUI PUI モルカー | アニメ動画見放題 | dアニメストア

 コマ撮りによるストップモーションアニメ。原作・監督・脚本はテレビアニメ初監督となる見里朝希。アニメーション制作はシンエイ動画とジャパングリーンハーツとかいうコンサルティング(?)会社。

 正直流行ってたし話題になってたから見たって感じなんですが、なかなか破天荒で面白い世界観だったと思います。短い分こちらが想像をめぐらせることの出来る余地も大きくて、そこら辺がバズった要因なのかなぁと思ったり。もちろん可愛らしいってのが一番でしょうが。最初は撮影大変やったんやろなぁという小学生並みの感想しか出てきませんでしたが、Twitterとかで画面上の小ネタとか色々流れてきて、頼みながら作ってたことが伝わってきて良かったですね(小並感)。監督はWIT STUDIO傘下のスタジオに所属することになったみたいで、また近いうちに新作が見られるかもしれません(リンク)。

文豪ストレイドッグス わん!

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文豪ストレイドッグス わん! | アニメ動画見放題 | dアニメストア

  原作・朝霧カフカ、作画・春河35による漫画……のスピンオフであるかないねこによる漫画が原作。監督は『夜桜四重奏 ~ヨザクラカルテット~』のキャラデザを務めた菊池聡延。監督は初かな? シリーズ構成は筆安一幸。キャラデザ・総作監は『邪神ちゃんドロップキック'』総作監(共同)の代見裕美。アニメーション制作は本編を制作したボンズと『ローゼンメイデン』『邪神ちゃんドロップキック』のノーマッド

 まぁキャラが好きなら見ても良いかなっていう程度。鏡花ちゃんが可愛かったですね。一回チビキャラのまんまキレキレダンスを踊る回があって、その回は印象に残っています。本編の続きもストック溜まったらアニメ化するんですかねぇ……?

ホリミヤ

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ホリミヤ | アニメ動画見放題 | dアニメストア

 HEROがWebサイト「読解アヘン」にて連載していた「堀さんと宮村くん」を原作とする、原作・HERO、作画・萩原ダイスケの漫画が原作。「月刊Gファンタジー」にて連載されていたが、2021年4月号にて完結*16。監督は『新世界より』『PERSONA5 the Animation』の石浜真史。『N・H・Kにようこそ!』とか『Aチャンネル』とか『ヤマノススメ セカンドシーズン』のOP絵コンテで有名な方です。もちろん本作のOPも担当*17。シリーズ構成は『亜人ちゃんは語りたい』『寄宿学校のジュリエット』『うちの娘の為ならば、俺はもしかしたら魔王も倒せるかもしれない。』の吉岡たかを。キャラデザ・総作監は『リトルバスターズ!』『がっこうぐらし!』『ジョゼと虎と魚たち』の飯塚晴子。アニメーション制作はA-1 Pictures高円寺スタジオを前身とするCloverWorks。

 甘酸っっっっぺえええぇぇぇぇぇ!!!!!

 1話で名作と確信し、原作を購入したわけですが、僕の目に狂いはなかったですね。吉川由紀が良すぎるんですよ。透のことが気になるし、他の女に取られるのはいやなんだけど、付き合いたいかと言われるとそうじゃないし、自分の感情をはっきり言葉にしたくないっていう。端から見るとなんやこの女ってなるのはめちゃくちゃ分かるし、その通りなんですけど、そこが良いんですよ。恋愛漫画でありながら恋愛至上主義じゃないっていうか、堀と宮村のような関係性を描きながら由紀と透のような関係性も肯定しているところがめちゃくちゃ好きです。というか由紀に限らず、もうキャラクター全てが愛おしいんですよ。それぞれの関係性が現実もこうあったら良いなっていう理想を描きながら、決して明るい面だけじゃなくて、暗い負の面を無視しているわけじゃなくて、そういうのを織り込んだ上で生きていくっていう、まぁちょっと大仰に言い過ぎた感もありますが、いやホント良かった。アニメとしても作画演技演出全部よくハマっていたし、青春コンプレックスをお持ちの方には是非視聴をおすすめしたいですね。

魔術士オーフェンはぐれ旅 キムラック編

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魔術士オーフェンはぐれ旅 キムラック編 | アニメ動画見放題 | dアニメストア

 秋田禎信による富士見ファンタジア文庫ライトノベルが原作。2011年から12年には新装版が、19年には香月美夜*18神坂一*19河野裕*20橘公司*21平坂読*22によるアンソロジーがTOブックスから刊行されています。アニメは1998年から2000年にかけて2期にわたって放送されたのち、昨年シリーズ25周年を記念して完全新作として新たに第1期が放送され、今期はその続き。監督の浜名孝行とシリーズ構成の吉田玲子は続投していますが、キャラデザは『はたらく細胞』の吉田隆彦から『黒子のバスケ』の菊地洋子と『IDOLY PRIDE』のサブキャラデザ(共同)のりおに交代しています。アニメーション制作はスタジオディーン

 いや全部見たんです、見たんですけど、語れるほどのことが何もない……。1期見たので正直なところ惰性で見続けてしまいました。結構ストーリー的にもいろいろあったんですけど全部ふーんって感じで全然のめり込めなかったですね……。一つそれっぽい要因を挙げとくと、やはり説明パートが冗長というのはあるかと思います。話を理解するために必要ってのはわかるんですがどうしてもテンポが削がれてしまうんですよね。あとはやっぱり話とか絵柄とかが全体的に古くさいのかなぁ……。というかそもそもよく2期作r

 

無職転生異世界行ったら本気だす~

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無職転生 ~異世界行ったら本気だす~ | アニメ動画見放題 | dアニメストア

 理不尽な孫の手による「小説家になろう」連載作品がMFブックスより書籍化されたものが原作。とにかくめちゃくちゃ制作陣の気合い入ってて、アニメーション制作のスタジオバインドは本作のアニメ化のためにWHITE FOXEGG FIRMの共同出資で設立されたほど。監督は『ゲーマーズ!』の岡本学で、シリーズ構成も兼任。杉山和隆は『ダーリン・イン・ザ・フランキス』『空の青さを知る人よ』で作監を経験した後本作が初キャラデザ。

 制作陣の気合いの入りようが半端なかった。特に作画とか演出はもう偏執的と言っても良い感じで、セルアニメっぽく画面をゆらしたりエフェクトかけてたりとか、いやそこまでやる?みたいなところがちょいちょいあります。一番やべぇと思ったのは5話のギレーヌの戦闘シーンですね。作画もそうだけど音響もすごかった。音も光も追い越して、みたいな戦闘シーンをアニメーションに落とし込むとこうなるんだ、という正解を見せられた気がします。あとは魔神語?みたいな異世界言語はずっと異世界言語として話されてるんだけど声優さんよく架空の言語で演技できますよね、すごいと思う。最初は語りの杉田の面白さとか作画のすごさとかが先行してた感もありますが、物語も結構しっかりしてて、主人公の誕生から幼年期、少年期と時間を追っていく流れは人生を描いてる感じがして良かったですし、異世界ものにありがちな何やっても成功っていう訳じゃなくて、挫折と成長の描写がしっかりしているのは好感が持てます。キャラもみんな人間くさくて好きなんですけど、特にエリスのいついかなる状況で何を喋っても声がクソデカいの好きですね。

 

ゆるキャン△ SEASON2

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  1期が大ヒットしたきらら漫画の2期。あfろによる原作は『まんがタイムきららフォワード』からアプリの『COMIC FUZ』に移籍して連載中。監督以下メインスタッフはほぼほぼ変更なし。

 1話めっちゃ良かったですね。冒頭の初心者しまりんも1期のテキパキしまりんと対比効いてて良かったし、同じ富士山をなでしこも見ているというシーンはまさに「きっと、そらでつながってる。」を体現しているとても良い演出だったと思います。正直1期のころはなんでこんなに流行ったのか不思議に思ってたんですが、こういう丁寧な作りに気がつけるようになったのは自分自身の成長も感じられて嬉しかったですね。あとカレー麺の会社はさっさとスポンサーに名乗りを上げた方が良い。4話の特殊ED→Cパートの流れもすごく良かった。やっぱり1期より明らかに面白くなってない? 本作の良いところは「ソロキャンばっかだったしまりんがグルキャンの良さも知るようになる」話ではあっても、決して「グルキャンだけを肯定する」話ではないところなんですよね。一人よりみんなの方が楽しい、みたいな展開はありがちですけど、どっちにも良さがあることをしまりんも、周りのみんなも知ってるからどちらかを相手に押しつけることがない。互いを尊重している関係性に思われて好きです。

 

Re:ゼロから始める異世界生活 2nd season(第2クール)

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Re:ゼロから始める異世界生活 2nd season | アニメ動画見放題 | dアニメストア

  2クール目。アニメ勢の僕には正直ちょっとついていけなかったところも多々。毎回尺ギッチギチだったし、1期と違って時間軸と視点がガンガン切り替わるので単純に情報量過多だったと思います。1期は死に戻りはあるものの回想とかはあんまりなかった気がするし、視点もスバルで一貫してたので、見やすかったんですよね。今期はエミリアの過去とかロズワールの過去とかベアトリスの過去とか過去回想祭りで、なおかつスバル視点からいろんな人へ視点が動くのでちょっと混乱してしまいました。媒体の違い~(n回目)。でも終盤にかけての盛り上がりはやっぱり良くて、バトルとかはやっぱ熱かったですね。エルザv.s.ガーフィールとか、パック&ラムv.s.ロズワールとか、スバル&ベア子v.s.兎とかここら辺全部良かった。結局レムは寝っぱなしでしたけど、原作ではもう起きてるんでしたっけ?

Levius -レビウス-

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レビウス | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト

 中田春彌による漫画が原作。2014年に休刊した「月刊IKKI」にて連載されたのち、掲載誌を「ウルトラジャンプ」に移し、タイトルを「Levius/est」と改題して連載中。2019年にNetflixオリジナルアニメとして配信されています。アニメーション制作のポリゴン・ピクチュアズは『シドニアの騎士』や『亜人』を作った3DCGアニメの会社で、総監督の瀬下寛之は『シドニアの騎士 第九惑星戦役』の総監督、監督の井手恵介は『亜人』の演出を務めています。キャラデザの森山佑樹も『シドニア』『亜人』を担当。シリーズ構成は『ドロヘドロ』『デカダンス』『呪術廻戦』の瀬古浩司

 ノーマークだったんですけどかなり面白かったです。親父さんの目の病気とか、世界観を設定だけで終わらせず、きちんと物語に組み込んでいるところに好感が持てました。スチームパンクな世界観も良いのですが、展開も結構熱血な感じですごく良かったです。対戦相手が師匠になったり、ライバルのために戦ったり……。思わず胸が熱くなるシーンも一度や二度ではなかったです。見ての通り3DCGのアニメなんですけど、拳闘のシーンとか迫力満点で、確かにこれは作画ではなかなかリソース配分難しかっただろうなぁと思いました。あとだんだんただのツンデレになっていくナタリアが可愛かった。

 

ログ・ホライズン 円卓崩壊

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 「小説家になろう」にて連載され、KADOKAWAより書籍化された橙乃ままれによる小説が原作。テレビアニメとしては第3期にあたり、スタッフは第2期とほぼ変更なし。

 原作が結構話が横に横に広がっていく作品で、構成大変そうだなぁと思ってたらそこらへんを人形劇にしてシロエ視点で話を進めてましたね。妙手……っちゃ妙手なのか? でもそのおかげで視聴してて混乱することはなかったですし、結構良かったのかもしれませんね。2期とはかなり間が空いてるし、続きも決まってない割には「先週までもやってたよね?」「来週からもあるよ?」みたいな感じでしれっと始まってしれっと終わったのが印象的でした。前半の選挙のような文民的な政治エピソードもあれば、後半みたいなバトルとかもあって、それらが両方楽しめるのが本作の良いところですよね。キャラはちょっと多い気がしますが……。超絶作画節約回もありましたが、全体としては目くじら立てるほどのことはなかったかなと。原作大分消化したと思いますし、続きはどちらにせよ大分先かな? というか原作は完結するのか?

 

ワールドウィッチーズ発進しますっ! 

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 アニメ『ストライクウィッチーズ』の藤林真によるスピンオフ漫画が原作。2019年にテレビアニメ第1期と劇場版が公開され、今回の第2期は501部隊に加えて502部隊「ブレイブウィッチーズ」のメンバーも登場。スタッフはほぼ変化なし。

 501部隊視点と502部隊視点で交互に進行します。502の方はずいぶん久しぶりでしたが見てたら何となくキャラ思い出してきました。結構キャラ崩壊が激しくて、おふざけのノリが強めでも許容できる人向けですね。せっかくだったら501と502で絡んで欲しかったけどあんまりそういう話はなかったです。

 

ワールドトリガー 2ndシーズン

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 「週刊少年ジャンプ」にて連載された後、2019年より月刊誌「ジャンプスクエア」に移籍して連載されている葦原大介による漫画が原作。2014年から6クールにわたってテレビアニメが放送され、今作はその続きに当たる第2期。スタッフは1期からちょいちょい変わっていて、シリーズ構成の吉野弘幸やキャラデザの海谷敏久は続投しているものの、シリーズディレクター*23は『ゲゲゲの鬼太郎』(第6期)の小川孝治から『聖闘士星矢Ω』の畑野森生に交代しているほか、撮影監督、美術監督色彩設定なども変わっています。

 原作既読勢ですが、展開知ってても面白いです。原作をかなり忠実になぞっている感じで、原作ファンとしても十分満足できるクオリティでした。アニメになって声と動きがつくことによって、例えば玉狛第二v.s.香取隊v.s.柿崎隊のB級ランク戦なんかは、玉狛視点を徹底して省くことでキャラそれぞれが持つ主人公性というテーマがより明確に感じられるようになっていたと思います。あとは何と言ってもOPですね。キャラがめちゃくちゃ多い本作ですが、1期の復習をしつつ超スタイリッシュに全員を登場させているところがとてもポイントが高い。キャラが多い作品のOPでありがちなのは何人かをグループに分けて順にカット割っていくとか走らせるなり立たせるなりして画面をスライドさせていくとかだと思いますが、このOPでは(画面のスライドは利用しているものの)それらのありがちな手法を避けて大人数のキャラを効果的に捌いていたと思います。もちろん本編の戦闘シーンもかなり頑張っていましたし、10月から始まる3rdシーズンにも期待したいです。

 

ワンダーエッグ・プライオリティ

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ワンダーエッグ・プライオリティ | アニメ動画見放題 | dアニメストア

 原案・脚本をドラマ『101回目のプロポーズ』『高校教師』などの野島伸司が務めるオリジナルテレビアニメ。インタビューを読むと彼がめちゃくちゃアニメ視聴者に期待してることが分かります。いや、そんな期待されても困るが……。監督の若林信はアイドルグループ「22/7」のアニメーションキャラクターPV「あの日の彼女たち」で監督を務めており、本作が初監督。キャラデザ・総作監は『ダーリン・イン・ザ・フランキス』『空の青さを知る人よ』で作監を務めた高橋沙妃。アニメーション制作はCloverWorks。

 実際のところ終わっていないので総括した感想というのは述べられないのですが、とりあえず現時点の感想をメモ代わりに。まず作画面で言えば今期では無職転生と双璧を為す存在でした。その分総集編を挟んだ本作が悪目立ちしちゃう感は否めませんが……。自殺した友人を救うためにファンタジー世界に出かけて他の自殺した少女を守りながら戦う、というのがものすごくざっくりしたあらすじなんですが、何というか何がやりたいかが見えてこなかった、というのが正直なところです。主人公たちが戦うのはワンダーキラーと呼ばれる少女たちに自殺のきっかけとなった存在で、これらが体罰する部活の顧問教師だとか、痴漢男だとか、教祖様だとかまぁ社会派の空気感を織り込んでるんですが、ホントに織り込んでるだけっていうのがう~んなポイントでした。これはマジで僕の個人的な考えなんですが、創作物で(特に多くの目に触れることが前提となる作品で)こういうセンシティブな話題を扱うなら、それなりの描く側に何らかの意図というか考えというか、メッセージが欲しかったです。本作でそれらの問題を描く必然性が見えてこないし、毎回題材(ワンダーキラーの性質)が違うせいで全体的なまとまりが感じられないし、いろんな社会問題にちょっとずつ手を出してみました感がすごい。インタビューとか読むとメッセージ性の排除はわざとくさい気もするんですが、僕とはあんまり合わなかったです。逆に好きなのは思春期の少女の描き方。メインの4人もそれぞれの考え方がしっかりしてるところが好感持てるし、エッグから現れる子たちも千差万別ながらそれぞれ印象深いところがあって良かった。暗喩的な演出もキレキレだったし、11話のリップ音の使い方もすごく良かった。少女たちが使う武器がボールペンとか傘とかカッターとかの小物をアレンジしたもの、みたいな世界観も非常に魅力的でした。ただやはり全体的に詰め込みすぎの感があって、あと1話で納得できるように広げた風呂敷をたためるかはかなり疑わしいです。多分流れ的には最終決戦なんだけど、メインとなる4人はもっと掘り下げられたと思うし、11話の展開はどうも後出し感が強くて割と超展開と言われても仕方ないんじゃないかという気がします。

 (2021年7月2日追記) 特別編を視聴したので、最終的な感想を手短に。やはりまとまりきらなかったな、というのが第一印象です。そうなるだろうことは予測していたので、驚きはしませんでしたが、それにしても(事実上の最終回であるにもかかわらず)一足飛び、二足飛びの展開が多く、ついて行くのが難しい、というかほぼほぼついて行けませんでした。いくつかの謎は解消されましたが、それに伴い増えたいくつかの謎と、意味深な描写や伏線らしきもののいくつかについては回収されませんでした。少なくとも、僕には回収されたと見なせませんでした。1クールに収めるにはあまりにも多くの概念と展開を盛り込みすぎ、収拾が付かなくなったのではないでしょうか。やりたい演出や物語の流れを優先し、視聴者の目線を欠いた結果ではないかと思わざるを得ません。本作の大きな強みであったはずの作画にもやや陰りが見え*24、魅力的だったはずのキャラクターも、ストーリーの都合に振り回されている感が強く、納得しがたいところもありました。製作側がこれをベストな状態として完成させたのか、それとも不満の残る中でやむを得ずこれを完成品としたのかわかりませんが、いずれにせよ終盤で大きなケチのつく作品になってしまったことは非常に残念です。続編が作れなくもない終わり方ですし、それでなくてもポテンシャルは大いに感じられる作品だったので、監督や脚本家の次作に是非期待したいと思います。

 

 以上、全40作、約3万字の感想でした。さすがにちょっと多すぎましたね。もう少し数を絞らないと1作1作の解像度が落ちてしまう気がしました。春クールも面白い作品が多くて、今から感想書けるのが楽しみです。良かったら次クールもよろしくお願いします。

*1:OPEDで3分使うので実質5分アニメ

*2:多分モーションキャプチャーとか3Dモデルとかの関係でできる動きに制限があるんじゃないでしょうか

*3:まぁ1話なのにライブ全然動かないのは気になったけど

*4:3Dモデルのキャラと2Dキャラを同じがカットに登場させること自体は他のアニメでもよくあります。『D4DJ』も『BEASTARS』もやってた

*5:一応食欲物欲でも貯まるみたいですが作中ではもっぱらエロいことで貯めています

*6:富田美憂の家族を解放しろ

*7:アルボアニメーションと『ぼくたちは勉強ができない』を共同制作した会社

*8:「シアトリカルマテリアルシステム」、松竹マルチプレックスシアターズではない

*9:少なくともアイドル要素はいらなかっただろ

*10:結局あの娘とくっつくしな……みたいな諦観もある

*11:当然ながら力士ではない。念のため

*12:漫画『日本人の知らない日本語』の絵を描いている人

*13:キャンプとか釣りとかバイクとか……

*14:ほぼ毎回死人が出る

*15:小林親弘、内省的な演技がめちゃくちゃ上手いと思う

*16:ハマった瞬間に終わった……

*17:もうちょっと明るい感じでも良かったと思うのは僕だけ?

*18:本好きの下剋上 〜司書になるためには手段を選んでいられません〜』の作者

*19:スレイヤーズ』の作者

*20:サクラダリセット』の作者

*21:デート・ア・ライブ』の作者

*22:僕は友達が少ない』の作者

*23:他社で言う監督。東映アニメーションは監督を置かないそう

*24:もちろん、それでも一般的なクオリティのアニメと同等かそれ以上のものではありますが