裏世界ピクニック 5 八尺様リバイバル【感想】
2021年6月1日読了。
あらすじ
TVアニメ放送直前! SF×ホラー×百合
空魚主催の混沌のラブホ女子会、鳥子の大学訪問、裏世界の探検で出逢った謎の婦人―― 大人気の怪異探検サバイバル、第5巻!
出典:https://www.hayakawa-online.co.jp/shopdetail/000000014707/
感想
アニメ化も果たした百合×ホラー作品の5巻目。二人の関係性に変化の萌芽を見せつつも、裏世界要素については箸休めというか、溜めっぽいお話でした。よく考えると閏間冴月の話全然進んでなくない?
ファイル16 ポンティアナック・ホテル
実質ギャグ回。なんで裸で踊る5人の挿絵がないんですか? あとは空魚が汀からもやべー奴認定されてたってくらいですかね。ラストでは潤巳るなもの姿も描写されたし、いずれまた話に絡んできそう。
ファイル17 斜め鏡に過去を視る
仁科鳥子、私のことめちゃめちゃ好きじゃん……。(p.142)
はい、そういうことです。空魚が鳥子の想いを強制的に直接確かめられ、言動に反映させざるを得なくなった(前話ではヘタレが目立っていたのも相まって)という点で、一つ大きなターニングポイントとなりそうです。
ファイル18 マヨイガにふたりきり
この「ふたり」って読み直すとダブルミーニングになってるんすね。外館とハナの完全に二者の間で閉じた関係性は、ある種もともと空魚が裏世界と鳥子に求めていた願望そのものを体現しているように見える一方、「よく見ようとしない」ことで認められる裏世界の生き物、「怖いものを見ないように」するかのような奇形の鹿、そして空魚が見るようになった悪夢といった要素からは形容しがたい不穏さを感じます。わかりやすいホラー要素がない分、むしろそうした意味深なところが際立つ一編でした。
ファイル19 八尺様リバイバル
今更肋戸の話が蒸し返されるんか……というのはさておき、八尺様のゲートを向こう側へ。そこでの拾いものは今後二人にどう関わってくるのでしょうか。雑談みたいな感じでしたけど、怪談でよく出てくる謎の長い髪の毛とかをDNA鑑定してみたらどうなるんだろう、みたいな話は面白かったですね。自分もそういうこと思ったりするので。