あすはひのきになろう

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青春ブタ野郎はナイチンゲールの夢を見ない【感想】

 

2021年7月12日読了。

 

あらすじ

ちょっと不思議な青春物語――再会した彼女は“正義の味方”?な第11弾!

 突如咲太の目の前に現れた、霧島透子を名乗るミニスカサンタ。彼女が「思春期症候群をプレゼントした」という学生たちのなかには、咲太の中学時代のクラスメイト・赤城郁実がいて――。
 書き込んだ夢が正夢になる、と学生たちのSNSで話題の都市伝説『#夢見る』。郁実がそれを利用し、「正義の味方」として人助けしている姿を目撃した咲太は、彼女の身体がポルターガイストのような現象に襲われていることを知る。しかもその原因は過去の咲太にあるらしく……!?
「ねえ、梓川君。ひとつ勝負をしない?」
 鍵をかけていた過去の扉をあける、シリーズ第11弾。

出典:https://dengekibunko.jp/product/aobuta/321907000725.html 

 

 

感想

 まだまだ続く思春期、大学生編第2弾。この何となく惰性で続いている感じ、物語シリーズを想起させられます。高校生編並みの面白さをもう一度大学生編で叩き出せるか? やや疑問ですが、引きはしっかりしていますし、伏線*1もある程度まいてあるので、ほどほどに期待して待ちたいと思います。

 今巻フィーチャーされるのは赤城郁実。中学生のころ咲太とクラスメイトだった彼女は、まるで「正義の味方」のように振る舞っているが、その真相は……?みたいな感じ。ギミックがなかなかアクロバティックで、今後の展開がどう転ぶか興味深いです。話の方は、過去のトラウマとどう向き合うか、みたいなのがメインになるのかな? 自分のあずかり知らぬところで他者に影響を与えている可能性について考えさせられるような、袖振り合うのも多生の縁的お話でした。印象的なのは既に咲太自身が過去とほとんどケリをつけていて、あんまり囚われてないところですかね。過剰に過去のトラウマを引っ張らないのは、感情移入の面から見ても読者の共感を得ようという面で見ても好印象でした。同窓会のシーンとか、どうせ今後関係ない人のことまで気遣う必要ないじゃん、みたいなのはわかりやすくて良いですね。中高生的にも、人間関係なんて時と環境が変わるにつれてどんどん移り変わるし、過剰に思い悩む必要ないよ、みたいなことが読み取れると希望が持てるんじゃないかなぁと思ったり。

*1:麻衣によく似た小学生、霧島透子の正体などなど