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魔導具師ダリヤはうつむかない ~今日から自由な職人ライフ~ 7/甘岸久弥(MFブックス)【感想】

 

2022年12月2日読了。

 

あらすじ

オルディネの冬を暖める、ダリヤの開発した暖房器具とは――!?
新たな仲間を迎え、ロセッティ商会をさらに発展させていく女性魔導具師のダリヤ。
日々寒さを増していく晩秋の季節、彼女は開発途中だった『暖房器具』の制作を進めようと思い立つ。前世では馴染み深かったその暖房器具は、「手足が温まる」「酒が欲しくなる」「ずっと離れたくない」と、ヴォルフやロセッティ商会員たちをすぐさま虜にする。
「なんだこの、行動力も意志も奪う『堕落座卓』は……」
ダリヤが開発したその魔導具は、ギルドや商会の要人をも巻き込みながら、瞬く間にオルディネに広がっていき――!?
魔導具師ダリヤのものづくりストーリー、ぬくぬく冬支度の第七弾、開幕!

出典:https://mfbooks.jp/product/dariya/322106000732.html

 

 

感想

 基本こたつ作るよ~っていうお話がメイン。現代の製品を異世界に持ち込んで無双、っていうのが一応基礎にはなるんですが、そこにダリヤ自身の工夫とこの世界の習俗に従ったアレンジや派生が生まれる点がよくある現代の知識に基づく無双もののいやらしさを脱臭していると思います。魔剣ノルマの方では、作った剣が武器に使えそうだということで魔物討伐部隊の方に流れてしまい、案の定王城に目を付けられてしまいます。ここらへんは父の心配したとおりになっちゃってますね。幸いスカルファロット家パワーで事なきを得たものの、やや不穏要素かな。

 サブキャラの方もチラホラ展開があり、スピンオフの主人公だったりするルチアの恋愛模様には庶民と貴族の恋愛習慣のギャップが浮き彫りになります。やはり貴族と庶民には身分の差だけでなく根本的な価値観の断絶があるようですが、ダリヤとヴォルフには少なくとも価値観の大きな差はなさそう……? まぁこういう出来事が、ダリヤから貴族であるヴォルフの方へ踏み出すことを妨げることにつながるのは大いにあり得そうです。

 番外編ではついにダリヤの母の身元が明らかになります。ダリヤの両親も身分違いの恋だったんですね~。マルチェラも貴族の子だし、身分差のある恋愛が珍しいわけじゃなさそうなんだよな。

 そろそろ最新刊に追いつきそうだし、ルチアが主人公の外伝に手を出そうかなと思ってみたり(積ん読の山から目をそらしながら)。