あすはひのきになろう

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七つの魔剣が支配するV/宇野朴人(電撃文庫)【感想】

 

2022年7月27日読了。

 

あらすじ

運命の魔剣を巡る魔法バトルファンジー、待望の第5弾!

 勉強と鍛錬を重ねて己を高めつつ、時には後輩たちを相手に頼れる先達としての一面も見せ始めるナナオたち。魔法生物学でグリフォンと格闘するカティに、魔道工学にのめり込むピート。ガイは迷宮で『生還者(サバイバー)』から教えを受けていた。
 一方で、次の仇討ちの標的をエンリコに定めたオリバーは同志たちと共に戦いの段取りを詰めていく。しかし、迷宮に消えたピートとエンリコを追いかけ、エンリコの研究所にたどり着いたオリバーとナナオは、そこでエンリコの魔道工学の脅威と、『魔法使い』と『異端(グノーシス)』の対立の一端を垣間見ることになり──。
 宿敵の一人に必殺を期すオリバーたち。彼らが戦場に選んだ場所とは――。

 

 

感想

 二人目の復讐相手、エンリコ戦。ダリウスの方は特に掘り下げがなかったんですが、こっちは割と丁寧な回想があったりして、少し意外でした。でもトレードマークのキャンディーとかことあるごとに哄笑する理由なんかが明らかになって、月並みですが彼は彼なりにいろいろあったんだなぁ、と。記号的なキャラ付けに意味をきちんと持たせるお話、好きなんですよね。

 主人公の母、クロエの人となりや、校長の現在の状態なんかも徐々に明らかになってきましたね。また世界観の今巻に関わるような、魔法使いと対立する「異界」の存在も説明がなされ、これからオリバーたちやこの世界そのものがどこへ向かっていくのか、先が読めない展開になってきました。さすがにこのまま7人順番に殺していくぜ!という単純なお話にはならない気がするんですよね。今回で同志も減っちゃったし。

 そうそう、今巻は半分くらいエンリコ戦だったんですが、その戦闘自体も読み応えがあって良かったです。あんだけの激戦でそんだけしか死者出てないの?と思ったくらい。手数が多く、何回も変身を繰り返すタイプのボス敵っぽくて面白かったし、それに対抗するオリバーたちの攻め手も、(本人もそうだし呪術を使った同志たちのものも)壮絶でした。

 敵も二人も殺されて黙っているはずないし、これからどうなるのか、続刊も是非早めに読みたいです。