あすはひのきになろう

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新本格ミステリを識るための100冊 令和のためのミステリブックガイド/佳多山大地(星海社新書)【感想】

 

2021年10月28日読了。

 

内容

新本格ミステリ>がこの一冊で解る! 令和にミステリ入門を志すあなたへ捧げる決定版ブックガイド!

本格ミステリの復興探究運動ーー<新本格ミステリ>ムーブメントは、戦後日本における最長・最大の文学運動です。綺羅星の如き才能と作品群を輩出してきたその輝きは、令和に突入した今に至る本格ミステリシーンにまで影響を及ぼし続けています。本書では、<新本格>の嚆矢である綾辻行人十角館の殺人』が刊行された1987年から2020年内までに刊行された日本の本格ミステリ作品より、その潮流を辿るべく100の傑作を厳選しご案内。さらにその100冊のみならず、本格ミステリ世界へ深く誘う<併読のススメ>も加え、総計200作品以上のミステリ作品をご紹介します。さあ、この冒険の書を手に、目眩く謎と論理が渦巻く本格ミステリ世界を探索しましょう!

出典:https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000355060

 

 

感想

 筆者の言う「せいぜい草臥れて二十代の読者」であるところの自分ですが、既読は10/100冊。今村昌弘『屍人荘の殺人』とか青崎有吾『水族館の殺人』とか、最近の作品まで入ってる、と思ったらこれももう幾年か前になってますね……*1。時の流れ……。西尾維新とか三雲岳斗とかラノベのジャンルで親しみ深い人がいたのもちょっと意外でした。

 個人的には、読みたい本を選んでる時の方が何なら読書してる時間より楽しいまであるので、こういうブックガイドはありがたいですね。ただ、想定読者である十代にこの1200円する本がどれくらい届いているのかはちょっと疑問ですが……。まぁ図書館とかもあるし、そこまで気にかけることでもないのかもしれませんが。あと、書評家特有の大上段から物を言う文体も十代にウケるか?という疑問もあります。収録されている小論*2も、古めの作品についてのものばかりですし、十代十代と連呼する割には、「そういうとこだぞ」みたいなところは散見されます。まぁ新旧様々な本への道しるべという意味ではその役割は十二分に果たされているので、それ以上何を求めるのか、と言われればそれまでですが。

*1:『屍人荘~』は2017年、『水族館~』は2013年

*2:過去の著作から引っ張ってきているみたいですが