あすはひのきになろう

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蒼空はるかな最果て図書館 光の勇者と愛した歌姫/冬月いろり(電撃文庫)【感想】

 

2022年8月10日読了。

 

あらすじ

空の彼方にある《円形劇場》そこで演じられたことは、必ず現実になる――。

休暇のため《最果て図書館》を訪れたルチアと穏やかな日々を送る館長のウォレス。そんな彼のもとに、テオドラからある報せが届く。――ルチアが何者かに狙われているというのだ。
 不穏な空気が漂う図書館に、暁の勇者と共に現れたのは、さすらいの吟遊詩人トネリコ。図書館の中にいるにもかかわらずウォレスが存在を感知できない、「気配のない」少年だった。
 図書館館長になりたいという彼に心を掻き乱されるウォレス。そんな中ルチアが何者かにさらわれて――!?
 かけがえのない女の子を守るため、戦うウォレスの想いは《空間》の意思を超えることができるのか――!
 失われた記憶、リィリの過去、ルチアの歌声に隠された秘密……すべての謎が明らかになるシリーズ最終章!

出典:https://dengekibunko.jp/product/saihate/321911000027.html

 

 

感想

 シリーズ最終巻。諸々に一応それなりの決着がつきます。

 今巻ではルチアの出生の秘密が明かされるとともに彼女の身に危険が迫り、ウォレスが空回りしつつも彼女を救うべく奮闘します。様々な助けを得ながら敵に立ち向かう王道的な物語や、敵キャラのバックボーン、皆少しずつ成長したうえでの大団円など、最後まで端正な筆致で、満足度の高い作品でした。

 心温まる、というと月並みな表現ですが、キャッチーさや派手さばかりに頼らず、こうした優しくもワクワクをかき立てられる物語を紡ぐ力はもっと評価されるべきだと感じます。ライトノベルに限らず、幅広い年代に訴求できるよう、さらに活躍の場を広げていって欲しいです。