あすはひのきになろう

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継母の連れ子が元カノだった8 そろそろ本気を出してみろ/紙城境介(角川スニーカー文庫)【感想】

 

2022年2月24日読了。

 

あらすじ

カップルたちに“本気”の前進!? 恋乱れ咲く神戸旅行編!

会長・鈴理の提案で旅行に行くことになった生徒会。
水斗にいさな、星辺先輩、暁月と川波も誘い出し、勢揃いで向かう先は恋人の集う街・神戸!
港町に温泉街、夜景スポットを巡るなか、それぞれの恋の思惑、駆け引きが繰り広げられ――!?
そんな様子をROM専として眺める川波も、今回は例外ではないようで。
「――あたし、まだ、こーくんのこと普通に好きだよ」
恋愛感情アレルギー体質を治そうと、彼女モードの暁月による荒療治が始まった!
失った“あの頃”の関係、守ってきた一線、そして積み重ねてきた時間を、振り切るのは簡単ではないけれど。
ホンネでぶつかる恋が乱れ咲く、神戸旅行編!!

出典:https://sneakerbunko.jp/product/motokano/322106001158.html

 

 

感想

 ついていけるのはいけるんですが、さすがに4組10視点を忙しなく切り替えていく展開は目まぐるしすぎると感じました。カップリングそれぞれの話は、それはそれで面白いんですし、色んな視点の心情やリアクションを楽しめるので悪いことばかりでなかったとはいえ、全体的にごちゃついている印象は否めず、焦点をどこに合わせればいいのか、ぼんやりしていた気がします。正直、登場人物を増やしすぎてしまった感がなきにしもあらず。サブキャラにかまけているせいで本筋の進みが遅くなるのは避けて欲しいところです。

 とはいえ、キャラそれぞれのある種の心境の変化がしっかり描かれていたことも確かです。会長と小悪魔キャラのカップルの掘り下げも良かったし、表紙の幼馴染カップルも大きな一歩を踏み出したように見えます。ただ主人公きょうだいだけは動きが少なく、やっていたのは指の水かきを触り合うくらい……。いさなも影が薄いと見せかけて、しっかりラストでかましてきましたしね。いさなに対する水斗の心情は、なるほどそういう方向に持っていくか、となりました。結女も区切りを設けたし、これは次巻が話が大きく動くのでは……?というかそろそろ動いてくれ……!