あすはひのきになろう

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僕たち、私たちは、『本気の勉強』がしたい。/庵田定夏(MF文庫J)【感想】

 

2022年7月3日読了。

 

あらすじ

ココロコネクト庵田定夏が贈る、真夜中の「東大受験」ストーリー!


真面目すぎると言われる高校生、真嶋正太は夜が好きだ。
田舎の小さな町で、身の丈にあった「普通」を過ごす日々。
でも夜はそんな自分でいなくてもいい、そう思っていた。
ところがとある真夜中、こっそり侵入した「夜の教室」でいつも寝てばかりのクラスメイト・月森灯に出会ってから彼の人生は変わり始める。
彼女曰く、勉強は全てを変えられるというのだ。
勉強は世界に通じている。不可能を可能にする。こんな町からも外に出られる。
「もちろん、明日のテストでも簡単に満点をとれるわ」
「えっ!?!?!?」
これは、夜から世界に挑む物語。真夜中×女子高生×勉強の新世代受験ストーリー、開幕!

出典:https://mfbunkoj.jp/product/honben/322202001159.html

 

 

感想

 待ちに待った庵田定夏最新作。率直に言って『ココロコネクト』以来伸び悩んでいましたが、久しぶりに力の入った作品だったと思います。

 夜の学校でのヒロインとの出会いというシチュエーションの良さもさることながら、受験のテクニック的な側面だけでなく、タイトル通り「全力で取り組む」こと自体に重きを置いている点が良かったです。「凡人が東大に受からない」ことを証明するために真剣に勉強する、という転倒した主人公の目的も面白い。1巻のなかに衝突あり挫折ありできちんと起伏を作っていて、親との関係性まできっちり描けている点も好感を持ちます。

 主人公とヒロインが今後どのような過程を経て東大を目指していくのか、続刊に期待したいところです。